#22 おまえらたち!! ジャイプル
アーグラから西、インド基本セットたるデリー・アーグラと並ぶピンク・シティーことजयपुर/Jaipur(以下「ジャイプル」)へと鉄道で向かいます。
記載内容は2025年3月時点のものです。ご旅行の際は最新の情報も合わせてご確認ください。
目次
【インド共和国(भारत गणराज्य/Republic of India)】
タイムゾーンはGMT+5:30で、日本より3時間半遅れています。
公用語はヒンディー語と英語ですが、ヒンディー語とは異なる言語を公用語としている州も多く存在します。また、英語も独特の訛りのヒングリッシュである場合が多いです。
通貨はインド・ルピー(₹と表記)で、記事中はルピーと記載します。
2025年3月現在のレートは1ルピーが1.7139円ほどですので、60ルピーなら日本での100円強の感覚ですね。
電源は220〜240V(50Hz)でコンセントはBタイプ・B3(D)タイプ・BFタイプ・Cタイプ、またはそれらのマルチタイプが一般的で、まれにAタイプにも対応したものもあります。
2026年3月1日 Day.179
結局タージ・マハル行かんのかい!という意見もありましょうが、おおよそ把握したのでヨシ、鉄道に空席があるうちに次へと向かってしまいましょう。
アーグラからジャイプルまでは、ixigoアプリで3Aクラスが606.5ルピー/人(約1,040円)/人でした。
アーグラからジャイプルへと移動
宿からアーグラ・フォート駅までのオートリキシャーはUberで110ルピー(約189円)/台、暑さと安さからついラクをしてしまいがち……
14:40、始発駅なので定刻での発車です。
最近ではixigoアプリでリアルタイムの運行状況も見られ、遅延の目処なんかは掴みやすくなっています。
いつまでも来ない列車を夜通し待ち続けた挙げ句に運行キャンセルになっていた……なんて時代は終わったようです。
18:50、列車は4時間10分を走り抜け、10分遅れでジャイプル・ジャンクション駅へと到着しました。
逆に10時間くらいじゃないとゆっくりできなくて休まらないと思い始めたのは、長時間移動が染みつき過ぎましたかね?
観光都市だけに電車から降りるなり乗客に紛れたオートリキシャーのドライバーにからまれ、歩くにつれて増え付きまとわれて、駅を出た頃にはちょっとしたパーティーが形成されています。
NOと牽制しながら屋台に着席すると、諦めて散って行くパーティーを横目にチャイを飲みながらUberを手配。120ルピー(約206円)/台でした。
宿はJaipur Marigold Homestay、中心部からは離れていて観光拠点としては向いているとは言えませんが、ローカル感のある中で静かに過ごせ、何より626ルピー(約1,073円)/泊と安さが魅力。
COOL JAPAN!
小腹を満たそうかと近所を散策中、お客さんで賑わう小さな屋台を発見しました。
メニューがヒンディー語のみなので、遠目に商品と金額のやり取りの様子をうかがっていたのですが、先客のインド人青年が私たちに気付き「何か頼みたい?」と、メニューと値段を教えてくれました。
エッグロールとチョウメンをオーダーしてもらうと、青年は私たちを屋台横に並ぶプラスティック椅子へと促し、自分のオーダー分を受け取ると去って行きました。
10分ほどしてテイクアウト組の先客たちが片付き、屋台のお兄ちゃんが「時間かかっちゃってごめんね」と私たちの品を届けてくれて、そこで私たちが日本人だと気付いてなぜか大喜び。
話してみると日本のアニメが大好きないわゆる「おまえら」のひとりである様子。
名前はSoni君と言い、インドではなくネパールの方で、進撃の巨人や鬼滅の刃も当たり前に履修済み。
毛色の違うところでは伊藤潤二作品が好きとかお前は俺か?
最近ではチェンソーマンが良かったということで、妻子あるにもかかわらずスマホの壁紙は「嫁」である姫野(主人公デンジに「Get on chu!」した人)でした。
私は個人的にパワー推しなので推し被りすることもなく、二推しはポチタで同担という棲み分け的にも気の置けないブラザーでした(笑)
その後も「試してみて」とモモをいくつか出してくれ(ネパーリーのモモは当たり前に美味い!)、いざ会計の段になると、エッグロールとチョウメンは先ほどの青年が支払って行ったし、モモも私からの気持ちだから会計は必要ないと……
なにそれ! ジャイプルあたたかすぎて泣きそう!!
絶対また来るから次は絶対に払わせてと念押ししつつ、ジャイプル滞在中はここに通うことを誓ったのでした。
2025年3月3日 Day.181
デリー・アーグラ同様にコスられまくっているジャイプルですが、私たちははじめてですので張り切って観光してまいりましょう。
アンベール城とジャイガル城砦
アンベール城までは宿から20kmほど。
今回はインドで広く使われている配車サービス「Ola (iOS/Android)」でオートリキシャーを手配して230ルピー(約395円)/台でした。
Olaは日本の電話番号でも登録できますので、インド出発前から準備しておくことも可能です。
アンベール城は小高い山に築かれていて少し登る必要があり、象に乗って登る観光用アトラクションも一部の観光客には人気のようでした。
登り始めてみると登坂道は人で溢れていて、城内はかなり混雑していそうでしたので、アンベール城は後回しにしてジャイガル城塞に先に行ってみることにしました。
アンベール城の西門側から登坂道が続いており、ジャイガル城塞はさらに高い山を登った先になりますが、登坂道は全体的に石畳で整備されていますので晴天ならスポーツサンダル程度でも大丈夫です。
ジャイガル城塞の入場料は500ルピー(約857円)/人と、インドの観光地は物価に対してかなりお高めです。
中に入ると広場のようになっており、それだけかと思わせておいて目立たない扉から先が本編という感じで、警備員が付いてまわってくまなく案内してくれました。
万里の長城のように周囲の山々の尾根を取り囲む城塞や、眼下にはアンベール城や下町を眺められ、登る苦労は大きいものの寄ってみて損はありませんでした。
警備員にはガイドは不要だと再三お断りした上でしたので、最後に「チップをくd『ありがとバイバイ!』ぁバーイ……」的にカブせてお別れしましたが、お互いモヤモヤするだけだからガイドの押し売りはやめましょうよ……
ジャイガル城砦を先に選んだのは正解、帰り際には日差しもかなり強まってきていました。
ヒィヒィ言いながら登ってくる観光客に「これキツいんだけど行くべき?」と問われれば「眺めはサイコー!あとちょっと!」なんて帰り道ならではの余裕をかました返答などしつつアンベール城へと下ります。
アンベール城に着いてみると朝よりさらに混雑しており、さらに入場料も改めて500ルピー(約857円)/人かと思うと……それに疲れたしなぁ……
下調べした際に記事や動画などで内部の様子はほぼすべてネタバレしていて、実物でも人垣越しではネット上の創意工夫を凝らしたベストショットを大きくは越えてこなさそうかも?という訳で無料で見られる外観のみを鑑賞しました。
帰りはOlaのドライバーが少なくてマッチしなかったので、Uberででオートリキシャーを手配して210ルピー(約360円)/台でした。
2025年3月4日 Day.182
インドに入ってルーティーン化している朝チャイをしばいて宿に戻ると、宿泊客であろうインド人青年の二人組がスマホ用のACアダプターを貸してくれないかと駆け寄ってきました。
誰やねん!何でやねん!ホストに言えや!とは思いつつも、切羽詰まった様子だったので非常用に持ってきている予備のACアダプターを貸してあげました。
予備とは言え借りパクされたら痛いな……と心配しつつ部屋で休んでいたところ、先ほどの二人組がベジサンドを手土産にお礼に来てくれたではありませんか。
COOL JAPAN!!
彼らは国内旅行中の生物学専攻の大学生で、この街へのバスに荷物を忘れてしまい財布とスマホしか手元にない上にバッテリーまでもが枯渇して、宿のホストも不在で途方に暮れていたとのこと。
そんな彼らも私たちが日本人と知ると大喜び、彼らもまた日本のアニメが大好きないわゆる「おまえら」たちだったのでした。
推しの子もONE PIECEも当たり前に好きだけど「個人的に思い入れが強いのが」と前置きして発した一言は「オマエハモウ、シンデイル」。
北斗の拳とかストライクゾーンのギリギリを攻めてくるあたりオタクですわ(褒め言葉)
アニメ関連イベント業界の偉い人の皆さん、にわかじゃなく生粋の「おまえら」が意外と潜伏してそうですし、母体の大きさからハネれば市場規模にも期待できるので、フィリピン・マレーシアよりインドはいかが?
2025年3月6日 Day.184
ジャイプルは今日が最後、今夜の鉄道で次の街へと移動します。
いつものように朝チャイをしばきに出歩いていると、たまたま買い出しで出歩いていたSoni君にバッタリ遭遇。
彼の屋台は夜だけの営業で、昨晩はいつにも増して大盛況だったこともあり、最終夜だとは告げずにお別れしてしまったので、最後にまた会えて良かったです。
今夜ジャイプルを発つことと連日の感謝を伝えると、まだ時間があるからウチに寄ってランチを一緒にどうかと誘ってくれました。
日本人らしく遠慮してみますが、あまりに熱烈なお誘いに断りすぎるのも無粋なので、素直に甘えさせてもらうことにします。
1時間後の再会を約束し、宿をチェックアウトしてスイーツ屋さんで手土産を買って待ち合わせ場所で合流。
向かった部屋ではSoni君と妻子、Soni君の妹の4人が暮らしており、奥さんが手料理を振る舞ってくれました。
カレーと豆ご飯おいしい、おなかいっぱい!と思ったらこれはまだ「突き出し」でした。
ここからさらに倍ほど出てきて、そういえばネパールでダルバートとか食べた時も満腹になってからゴッソリとおかわりを盛られたっけ、ネパールは爆食文化なのかな?
根性でほぼ食べ切ったものの腹二十二分目というのは人生でも初でした、美味しかったですがとにかく苦しかった(笑)
Soni君には感謝しかありません。WhatsAppとEmailアドレスを交換しておいたので、日本に帰ったら住所を聞き出して、日本でしか手に入らないアニメグッズでも唐突に送りつけてやるから覚悟しておけ!!
ジャイプル・ジャンクション駅の荷物預かりサービス
20時の列車なのでまだまだ時間に余裕がありますが、何をするにしても荷物が邪魔になります。
宿泊した宿に預かっておいてもらうのが一般的ですが、インドの鉄道駅には荷物預かりサービスが併設されていることも多く、鉄道での移動日だとこちらの方が便利です。
ジャイプール・ジャンクション駅の場合は駅ナカの1番ホーム側にあり、看板も出ているので分かりやすかったです。
料金は最初の24時間が20ルピー(約35円)/個で、以降が24時間毎に25ルピー(約43円)/個とのことで格安です。
ただし、預けた荷物にチョークで番号をデカデカと直書きされますし、これがまた意外と落ちないので、汚れるのが嫌という場合は利用できないと思ってください(笑)
荷物から解放されて身軽になったところで、ここからは市内の観光スポットを巡って暇を潰します。
ジャンタル・マンタルとハワー・マハル
ジャイプル・ジャンクション駅からハワー・マハル近辺まではUberででオートリキシャーを手配して100ルピー(約172円)/台でした。
まずは古代の天文台「ジャンタル・マンタル」、入場料は202ルピー(約347円)/人でした。
最大の日時計「サムラート・ヤントラ」は2秒単位で時間が読み取れるのだとか……日時計って秒単位まで突き詰められるものなの!?
また占星術に使われた「ラーシ・ヴァラヤ・ヤントラ」は12星座分あって各々の星座を向いており、自分たちの星座のを探したりと楽しめます。
……とは言え観測機が並んでいるだけなので、頑張ってマジマジと見たとしても限界はあり、割とサクッと見終わってしまいます。
続いては歩いてすぐの「風の宮殿」ことハワー・マハルへ。
お馴染みの窓群ですが横から見ると実はとても薄っぺらく、内部も中庭と回廊があるだけだったりします。
なのでここも通りがかりに外から正面を見れば十分だったりします。
サクッと見終わってしまい、帰りはどうしようかと考えながら歩き回っていたところ、通りがかりにメトロ駅を発見しました。
そういえば鉄道駅のあたりでもメトロ駅を見かけたなと思い、時間もあるのでテキトーに乗ってみたら15ルピー(約26円)/人でジャイプル・ジャンクション駅まで戻ってくることができました。
時間を持て余している時に限ってスムーズにことが進むというね……
ちなみに、これから向かうのはਅੰਮ੍ਰਿਤਸਰ/Amritsar(以下「アムリトサル」)です。
東のコルカタから入って北のアムリトサルまで、インドの上っ面をピッとなぞっただけでも2,000km、インドを本気で周ろうとすると1年でも足りなさそうですね。
ジャイプルからアムリトサルへと移動
ジャイプルからアムリトサルまでは、ixigoアプリで3Aクラスが1,389ルピー/人(約2,381円)/人でした。
残席数が足りず取れない感じでしたが、キラリと光る「札束でビンタ」ボタンみたいなのが出てきて、そちらで押さえた課金席なので割高でした。
20:00、始発駅ではありませんでしたが遅延しておらず定刻で発車しました。
それでは次回、アムリトサルにて!