カジュラーホーから北西、インド旅行者は全員が訪れると言っても過言ではない「タージ・マハル廟」で有名なआगरा/Agra(以下「アーグラ」)へと鉄道で向かいます。

記載内容は2025年2月時点のものです。ご旅行の際は最新の情報も合わせてご確認ください。

目次

【インド共和国(भारत गणराज्य/Republic of India)】

タイムゾーンはGMT+5:30で、日本より3時間半遅れています。

公用語はヒンディー語と英語ですが、ヒンディー語とは異なる言語を公用語としている州も多く存在します。また、英語も独特の訛りのヒングリッシュである場合が多いです。

通貨はインド・ルピー(₹と表記)で、記事中はルピーと記載します。
2025年2月現在のレートは1ルピーが1.6968円ほどですので、60ルピーなら日本での100円強の感覚ですね。

電源は220〜240V(50Hz)でコンセントはBタイプ・B3(D)タイプ・BFタイプ・Cタイプ、またはそれらのマルチタイプが一般的で、まれにAタイプにも対応したものもあります。

2025年2月26日 Day.176

カジュラーホーからアーグラへは空いており、外国人枠に頼る必要もありませんでしたので、チケットは前述のixigoアプリからポチーっと簡単に取れました。3Aクラスが750ルピー/人(約1,273円)でした。

カジュラーホーからアーグラへと移動

宿をチェックアウトしてオートリキシャーでカジュラーホー・ジャンクション駅へ、宿で手配してもらって200ルピー(約340円)/台でしたので、来た時の150ルピー/台というのは本当にスペシャルオファーだったんですね。

9:25、定刻発車でした。車内もこの通り空いており、希望通りの通路側の上下段のセットが割り当てられました。

鉄道の車内(3Aクラス)

18:10、列車は8時間45分を走り55分遅れでアーグラ・カント駅へと到着しました。

タージ・マハル廟やアーグラ城塞の最寄駅だけあって利用者数も多いからでしょうか、プラットホームも広くて大きい駅です。

アーグラ・カント駅

駅から出ると観光都市だけにオートリキシャーのドライバーに取り囲まれますが、誰一人として適正価格で行く気はゼロのようなので、目の前でUberを呼びつけてやります。

ならばUberと同じ値段でいいと言ってくるドライバーも居ますが、Uberより安いならともかく同じ値段でこちらに何のメリットがあるというのか……

そもそもが最初にふっかけてきたヤツらです、どうせ後から遠かっただの混んでただのゴネて吊り上げて来るでしょうから、目をマジマジと見据えながら「NO」と断ってやります。

東南アジアでもそうですが、この手の待ち伏せてるドライバーは見えていないし聞こえていないかの如く完全無視して、今しがたそこで客を下ろしたドライバーや、通りまで出て流しのドライバーだけを相手にする方がハズレを引きにくいです。

そんなこんなで宿はSia Taj Hotel nearest Taj Mahal Agra、1,070ルピー(約1,816円)/泊でした。

ニアレストは言い過ぎかもとは思いますがオートリキシャーでなら近いですし、おそらくはメトロが延伸されそうな雰囲気がありましたので、近いうちに便利になって盛り上がりそうな地域です。

こちらのホスト兄弟がホスピタリティーに溢れていて、日本人ゲストははじめてだからどう接するのが正解か分からないけど、不便や要望があったらいつでもなんでも言ってねと常に気遣ってくれ、ちょっと外で一服していたらすかさず椅子を持ってきてくれたりと逆に恐縮してしまうほどでした。

2025年2月28日 Day.178

昨日は何となくゆっくりしてしまった上に、もともとアーグラには長居するつもりはなく今日で最終日になるのですが、今日が金曜日ということに気付きました。

これまでインドの方とお話しする中で「アーグラに行く」と言うと、揃いも揃って「あそこはタージ・マハルくらいしかないから1泊でも飽きる」と言われていました。

その唯一のタージ・マハルは金曜日が閉館日なのです。もうアーグラには来なかったことにしてビールでも買って宿に戻ろうか?(笑)

いやいや、一応、他にも見どころはあるにはあるのでサラッと見て行きましょう。

ひとまずUberでメトロ駅までのオートリキシャーを呼んでみたところ、ドライバーさんが500ルピー(約849円)/台で何ヶ所か回ってくれると言うのでお願いしてしまいました。

ビービー・カー・マクバラー(ミニ・タージ)

まずは通称「ミニ・タージ」と呼ばれているビービー・カー・マクバラーへ。入場料は300ルピー(約510円)/人でした。

シャー・ジャハーン帝が彼の妃のために建てたのがタージ・マハル。そのシャー・ジャハーン帝をアーグラ城塞に幽閉した後継者アウラングゼーブ帝が彼の妃のために建てた霊廟がビービー・カー・マクバラーです。

国家が傾くほどの予算で贅を尽くしたタージ・マハルほど大きくなく、大理石の使用も一部に限られてはいますが、建築様式はタージ・マハルを模しており、まさに「ミニ・タージ」の呼び名がしっくりきます。

遠目には小っさいですが近くで見るとそれなりに大きく装飾も綺麗です。

ビービー・カー・マクバラーの外観
ビービー・カー・マクバラーの近景
ビービー・カー・マクバラーの装飾

正直、まったく知らなかったスポットなのですが、見た目は意外とタージ・マハルしており、観光客も数えるほどしか居ないので落ち着いて見られてよかったです。

メフターブ・バーグ(裏タージ)

続いてはメフターブ・バーグ。入場料は300ルピー(約510円)/人でした。

メフターブ・バーグはタージ・マハルからヤムナー川を挟んだ対岸で、実現しませんでしたがシャー・ジャハーン帝が自らの霊廟として黒大理石版のタージ・マハルを建設しようとしていた跡地の公園です。

ここはタージ・マハルを真裏側から眺められる穴場として有名な場所で、もはや有名になってしまって穴場でも何でもない上にタージ・マハルが休館日とあって観光客がこちらに雪崩れ込んでいました。

インドの大気汚染で川向こうですらモヤってはいましたが、人混みを掻い潜ってタージ・マハルを間近に見ることができ、皆に倣ってテンプレ通りの写真も撮ることができました。

メフターブ・バーグからのタージ・マハル

アーグラ城塞

最後はアーグラ城塞。入場料は600ルピー(約1,019円)/人でした。

広大で構造物がしっかり残されており、大理石の宮殿「ディワーニ・アーム」や、シャー・ジャハーン帝が幽閉された囚われの塔のある「ディワーネ・カース」、広大な庭園などなど見応えがあります。

アーグラ城の城門
アーグラ城のディワーニ・アーム
アーグラ城のディーワーニ・カース(中央左が囚われの塔)

シャー・ジャハーン帝が晩年に見つめていたで景色と同じく、遠くタージ・マハルを眺めることができますが、現代では大気汚染がひどく当時よりだいぶ霞んでおります。

アーグラ城からタージ・マハルを望む

おまけ(タージ・マホトサフ)

タージ・マハル自体には入れませんでしたが、ゆかりのスポットを通じて休館日にしてはタージ・マハルを感じられた気はします。

宿へと戻るとホスト兄弟から今夜は忙しいのかと聞かれ、唐突にどうしたのかと話をうかがうと、今夜は両親が結婚式への参加で不在なので、子供らとご飯がてら出かけるのだとか。

それで、今日の宿泊客は私たちだけなので、もしそういうのが嫌でなければ一緒にどうか、気が向いたらホテルを閉めて皆で一緒に行かないかと誘ってくれたのでした。

せっかくのお誘いを断るのもなんですし、行かないとなると誰かレセプションで留守番になって面倒でしょうから、高級レストランとかだったら支出が痛いとドキドキしながらもご一緒させてもらうことにしました。

そして車に乗り込み到着したのは露店の並ぶ賑やかな通り。

シルプグラム・ロード

後から知りましたが、毎年恒例のTaj Mahotsavと言うお祭りがあり、今年は2月18日から3月2日までとちょうど開催中で、そこに連れて来ていただいたようです。

ホスト兄弟は露店の強力レーザーポインター付きのLEDライトに一目惚れ、即買い&即開封して遠くのビルの壁などを照らし合っていました(笑)

露店を冷やかした後は遊園地へと入り、パーニープーリーに始まって茹でとうもろこしやクルフィにモモと、あらゆる出店で次々と買い与えてくれます。

お供え的なビジュアルの何かが並ぶ店でも、すかさず試してみろと買い与えられてしまいました。

Shahi Paan

台湾のビンロウの様な味を覚悟しながら食べてみると、意外にも葉の食感こそ気になりますが甘酸っぱく爽やかで美味しい。インド版マウスリフレッシュナーなのだそう。

その後、観覧車かバイキングどちらかに乗ろうと誘われて、まあ観覧車くらいならと応じるも、それは高回転型(11,000回転まできっちり回せ)絶叫観覧車でした。

高速観覧車

画像では伝わらないと思いますが、天井も扉もない骨組みオンリー構造、掴まる所もロクになくただ座るだけ、グワングワンに揺れながら頂上ではケツが浮きながら高速で何十周も回り続けるのです。

体ひとつでも気合いでギリ行けるっしょ的なザックリ設定のマシンは、速度も高度も数段上回りながらも安全設計のなされた先進的な絶叫マシンの数倍怖かったです。

こうして散々食べ歩き遊び歩きましたが、ホスト兄弟は「あなたたちがハッピーなら私たちもハッピー、余計なことは気にせず楽しんでくれたら嬉しい」と最後までお金を受け取ってくれませんでした。

快適に過ごして欲しい、楽しんで欲しいという、おもてなし精神に溢れたホストの皆さんでしたので、今後も変わらずにより多くのお客さんに恵まれて欲しいと思いました。

……と、アーグラは短い滞在でしたが、何せインドは広い、着々と回って行きましょう。