ネパールを訪れる旅人は2種類。ヒマラヤ山脈を望みトレッキングを楽しむ人、そしてインド疲れを癒しに来る人。インドの本気に引き気味の私たちもネパールへ向かったのでした。

記載内容は2025年2月時点のものです。ご旅行の際は最新の情報も合わせてご確認ください。

目次

【ネパール(नेपाल/Nepal)】

タイムゾーンはGMT+5:45で、日本より3時間15分遅れています。15分単位は珍しいですよね。

公用語はネパール語です。

通貨はネパール・ルピー(रूと表記)で、記事中はルピーと記載します。
2025年2月現在のレートは1ルピーが1.1176円ほどですので、100ルピーなら日本での税込み110円の感覚ですね。

電源は220V(50Hz)でコンセントはBタイプ・Cタイプ・B3(D)タイプ、またはそれらのマルチタイプが一般的で、まれにAタイプにも対応したものもあります。

2025年1月29日 Day.148

4:30、宿をチェックアウトしてマハー・クンブメーラに参戦するツワモノ4名と一緒にワーラーナシー・ジャンクション駅へと向かいます。オートリキシャー相乗りで35インド・ルピー(約63円)/人でした。

4:50、インドカラーに光る駅が「Welcome, This is India!」とお出迎え。

ワーラーナシー・ジャンクション駅

私たちのगोरखपुर/Gorakhpur(以下「ゴーラクプル」)行きの列車は1時間後あたりの予定ですので、マハー・クンブメーラ参戦組の皆さんとはお互いの旅の安全を祈りつつここでお別れ。

ワーラーナシーからゴーラクプルへと移動

「何番ホームかな?」なんて話していたところ1通のSMSが届きました。

IRCTC
IRCTC
あなたの列車は1時間ほどの遅延が見込まれます。
まざき屋トラベル
まざき屋トラベル
あちゃー、まぁ、始発駅じゃないから多少はね……

どうしようもないのでインド人に混じって「待ち」の体制に入ります。

床とはつまり雑魚寝スペースなのです

IRCTC
IRCTC
あなたの列車はさらに2時間ほど遅延しそうです。
まざき屋トラベル
まざき屋トラベル
は……?
IRCTC
IRCTC
あなたの列車は加えてもう2時間ほど遅延します。
まざき屋トラベル
まざき屋トラベル
……アホーーー!

11:50、待っては伸ばされを繰り返し、列車は6時間遅れで到着。この時間なら普通にゆっくり寝て普通に朝ごはん食べて普通にチェックアウトできましたね……

GMP INTERCITY

前回と同様の3A寝台で380インド・ルピー(約680円)/人でした。

20:00、列車は8時間ほど走り抜け、トータル9時間遅れでゴーラクプル・ジャンクション駅へと到着しました。

すんなり行けたら今日中にネパール入りできる目論見でしたが、ここで一泊して明日に持ち越しですね。

宿はGokul PG Homestay、750インド・ルピー(約1,341円)/泊でした。

2025年1月30日 Day.149

8:00、バスの時間が分からないので早めにチェックアウトしました。

ゴーラクプルからソノーリへと移動

この後はどこに行くのかというので、バススタンドからसोनौली/Sonauli(以下「ソノーリ」)国境まで向かってネパールのकाठमाडौं/Kathmandu(以下「カトマンズ」)まで行くつもりであることを話すと、ホストはオートリキシャーを捕まえて「バススタンドまで30インド・ルピー(約54円)/人だから、それ以上を言われても絶対に払うなよ」と行き先の指示と料金交渉までを済ませて送り出してくれました。

バススタンドには多数のバスが並んでいますが表記がヒンディー語のみで解読不能。周りの人々に聞いてみてもソノーリ行きのバスは「あっちだ!」「そっちだ!」「どっちだ?」「ないかも?」とハッキリしません。

ゴーラクプル・バス・スタンド

右往左往していたところ、心配してくれたのか宿のホストが車で現れ、バスを一緒に探してくれたのですが、それでも一向に見つかりません。

一晩寝るだけと選んだ宿で、安いなりに設備は褒められたものではないのですが、ホストがとても良い人なだけに勿体ないです。少し設備投資すれば少し値上げしたとしても大きく評価が跳ね上がると思うのですが……

一方、同じくバスを探していた様子のアメリカ人旅行者とイスラエル人旅行者が諦めてタクシーと交渉し始めたので、ホストにお礼を言って私たちも料金交渉に混じってみます。

料金が決着して出発と思いきや、この料金ならもう1人乗せる、つまりごく普通のセダンにドライバー+5人を詰め込むとか言い出す始末に詰め寄ると、ドライバーは気まずそうに今さっき後ろに停まったバスを指さして「あのバスはソノーリ行きですよ」と。

9:55、ローカルバスに乗り込んで出発。結局のところソノーリ行きのローカルバスは普通にあるけど、ちょっと離れたこの白い建物のあたりから発着するようです。

路線バスのようなタイプなのでトランクルームはなく、かつ地元民でぎゅうぎゅうで空席もなくなりますので、荷物は足元や通路になんとか押し込む形になります。

ソノーリ行きローカルバスの車内

11:00、1時間ほど走ってこの辺りで休憩停車となりました。短距離路線でしたので休憩停車があるとは思いませんでした。

13:10、ソノーリへと到着。150インド・ルピー(約269円)/人でした。

インド側のイミグレーションは国境寄りかと思わせて、少し手前側にあります。

バスで通ってきた道を少しだけ戻ると看板が出ており、そこから曲がってキレイめのカフェを過ぎた先です。

インド側イミグレーションの看板

出国スタンプをもらったら国境へと向かいます。

ソノーリ・ベラヒヤ国境

このゲート横のテントでインド側職員にパスポートを提示して謎の台帳に記入してもらう必要があります。

すでにイミグレーションで出国の記録が刻まれているはずであり、どうせ照らし合わせたりする訳でもないのでしょうし、この台帳に何の意味があるのかはまったく分かりません。職員のやってる感を演出して雇用でも守ってるくらい?

ゲートを抜けた先はネパールのबेलहिया/Belahiya(以下「ベラヒヤ」)です。

ベラヒヤからカトマンズへと移動

ネパール側のイミグレーションはゲートを抜けてすぐ近くにあります。

この一見何でもない感じの建物へと誘導され、最初は安ホテルか何かだと思ってスルーしかけましたが、ここがイミグレーションでした。

ネパール側イミグレーション

ネパールへの入国にはビザが必要で、私たちはアライバルビザを取得しました。

事前にNEPALIPORTサイトの「Visa On-arrival」から入境管轄「Immigration Office Belahiya (Bhairahawa)」を選択してフォームを埋めて登録します。

現地にもフリーWi-Fiの提供とアクセス用のQRコードが掲示されており、運良く電力と通信が生きていればその場で登録することもできます。

ビザ申請料は最短15日間のもので30アメリカ・ドル(約4,643円)、ネパール・ルピーではなくアメリカ・ドル指定であるところには注意が必要です。

一応、手前のインド側やちょっと先のネパール側の闇両替商から、レートは完全な言い値になりそうですがアメリカ・ドルも入手することはできそうです。

入国が完了したところで、通りがかりの旅行代理店で手持ちのインド・ルピーの一部を両替してもらい(ここらでは1インド・ルピーが1.6ネパール・ルピーの固定レートのようでした)、15GB/14日間のSIMを900ルピー(約1,006円)と、カトマンズ行きのバスチケットを1,300ルピー(約1,453円)/人で購入。

正直、まだまだ割高だったと思いますので、もっと何軒も聞き回ってみることをオススメします。

なお、ここベラヒヤでは普通にインド・ルピーが使えます。料金表示も支払いもお釣りもインド・ルピーだったりすることも多いので、

16:00、もともとはエアコンなし1,000ルピーのバスのはずが、手配できたのはエアコン付きだったのでと300ルピー割り増しされたこのバス、エアコンどころか扇風機すら動かさずに出発しました。カネ返せ……

23:00、7時間を走り半分ほど来たでしょうか。ノンストップで行く気なのかと思いましたがここで休憩停車です。次は到着まで停まらない予感しかないので、恐ろしくて飲み食いなんてできませんでした。

2025年1月31日 Day.150

4:30、バスはさらに5時間半ほど走ってカトマンズのニューバスパーク(ナヤバスパーク)へと到着しました。

バスから降りる客に群らがるタクシードライバーたちは健在ですが、インドとは違って勧誘はしつこくなく、あとでと思って断っていたら誰も居なくなってしまいました。

早朝で冷え込みが厳しく、屋内の待合所のような落ち着けそうな場所もなさそうなので、ここでローカルバスなんかが動き出す時間まで待つのは厳しそうです。

タメル地区なら24時間営業のカフェやレストランも多々あるという言葉を信じて、出遅れてやってきたドライバーのタクシーに乗り込みました。競争原理が働いていないので500ルピー(約559円)/台までしか下げられませんでした。

タメル地区の適当なレストランにドリンク1杯で居座り、居場所とトイレは確保できました。お客さんの出入りもなく店員も無関心なので追い出される心配もなさそうです。

ただ、どこのお店もドアは常に全開だったりドア自体がなかったりの開放式で、店内はほぼ外気温というのは計算外。ネパールには空調完備の建物はあまりないようです……

8:00、予約していた宿を覗きに行ってみると、解錠されてレセプションにも人影があり、荷物を預かってもらおうと思ったらチェックインできるとのこと。

宿はNepalaya Home Hostel、部屋も広く清潔でエアコンには暖房モードもありシャワーは水圧湯温ともに安定しており文句なしのオススメ。1,584ルピー(約1,771円)/泊でした。

宿で休憩やら雑用を済ませ、夜は「マサラ疲れした旅人のオアシス」としてうわさ高いカトマンズの日本食レストランに行ってみました。

私たちはそこまで日本食が恋しいとまでは思っていなかったつもりでしたが、出されたお茶は染み渡り、ひとくち食べたらもう箸が止まりませんでした。

カツ丼が550ルピー(約615円)で天丼が600ルピー(約671円)と海外においては破格の安さで、味も見た目もいたって普通に日本のそれです。いや、普通が再現できていること自体がスゴイと思います。

節約のため現地メシ続きで日本食と離れて久しい旅人には、確かにカトマンズの日本食レストランはとてもありがたい存在であることを実感しました。

2025年2月2日 Day.152

移動時の寒さにやられたようで体調を崩しましたが、丸一日寝て少し回復しましたので観光に出かけてみます。

ダルバール広場(クマリの館)

まずはタメル地区からだと徒歩20分ほどのダルバール広場へと向かいました。

入場料は外国人は1,000ルピー(約1,118円)/人という心理的障壁の高さと、明確にゲートなどで仕切られている訳でもなく街の一角という物理的障壁のなさから、普通に入り込んでしまう観光客も少なくありません。

2015年のネパール地震で深刻な被害を受けた建造物も多いので、修復支援の気持ちも込めて自ずから売り場に赴きチケットを購入しましょう。

ダルバール広場

ここネパールにはクマリという少女の生き神が複数おり、地方に暮らすローカル・クマリとここカトマンズのダルバール広場の一角に暮らす、ただ一人の最高位のロイヤル・クマリがいます。

ロイヤル・クマリは通常は11時前後と16時前後に館の窓から姿を見せるということでしたが、今朝は少し早めとのことで真っ先にクマリの館へと向かい、現在のロイヤル・クマリを目にすることができました。

ロイヤル・クマリは撮影厳禁で、ルールやマナーなんてどこ吹く風としか考えない中国人やインド人でさえ厳しく注意され撮影できないほど徹底されています。

クマリの館

ちなみに、ガイドたちは時間を把握しているようですので、観光客を連れたガイドの動きを見ながら合わせて動くとタイミングを逃さずに済みます。

広場には大小さまざまな建造物があり、よく見ると装飾なども細かくていろいろな角度で楽しめます。

柱の彫刻
壁のガネーシャ像
お供えの蝋燭の炎が風に揺れる

ボダナート

続いてはタメル地区から7km、タクシーだと500ルピー(約559円)ほどのボダナートへと向かいます。

ここはネパール最大のチベット仏教の仏塔で、このブッダアイと風にはためくタルチョを誰しも一度は映像や写真では目にしたことがあると思います。

ボダナート

仏塔の周囲にはマニ車がズラリと備え付けられており、正式には「オム・マニ・ペメ・フム」とマントラを唱えながら時計回りに周回しながら回して行き、巡礼者だと108周もするそう。

入場料は400ルピー(約448円)/人でした。

パシュパティナート

最後はボダナートから2km弱、20分ほど歩いた先にあるパシュパティナートです。

ボダナートから歩いて行くと裏側から入る感じになり、猿の駆け回る山越えルートみたいな感じでした。

ここはシヴァ神を祭るネパール最大のヒンドゥー教寺院で、ヒンドゥー教徒以外は寺院にはもちろんのこと敷地に立ち入ることさえ許されません……が、入場料1,000ルピー(約1,118円)を支払うと敷地内には入れます。

バグマティ川のほとりにカーストに応じた複数の火葬場があり、そこで次々とご遺体が荼毘に伏されていきます。

パシュパティナート
バグマティ川沿いの火葬場

近くで見ていたところ、組んだ薪の一部が燃え崩れ落ちたので、火夫がそれらをくべ直す感じで真ん中に投げ込み直していましたが、そのうちのひとつは薪ではなく腕でした……

要するにインドのワーラーナシーのマニカルニカー・ガートのような場所で、実際、このバグマティ川は下流でガンジス川へと合流しているのだそうです。

混雑していないので思いに耽りながら見たいという場合はこちらの方が適していると思います。

2025年2月3日 Day.153

体調が戻りませんがビザをケチったのであまりのんびりしてもいられません。

次のपोखरा/Pokhara(以下「ポカラ」)行きの準備を進めます。

ワーラーナシーのサンタナに宿泊していた方から、ネパールのバスはヒマラヤンという会社が良かったというお話しを聞いていたので、オフィスに出向いてポカラ行きを手配しました。

明日はかつて旅人の沈没地としても有名だったポカラへ向けて出発です。