#17 ガンジス川と路地裏の牛、聖地ワーラーナシー
迷路のように入り組んだ細い路地と行く手を阻む牛を抜けた先にはガンジス川。インド最大の聖地वाराणसी/Varanasi(以下「ワーラーナシー」)へ向かいます。
コルカタではインドにいる実感が今ひとつ湧きませんが、それは熊野古道や伏見稲荷大社あたりのFantastic JAPANのつもりで訪れた外国人が秋葉原や歌舞伎町あたりのAmazing JAPANに降り立ってしまったようなもので、This is Indiaはここワーラーナシーからが本番なのでしょう。
記載内容は2025年1月時点のものです。ご旅行の際は最新の情報も合わせてご確認ください。
目次
【インド共和国(भारत गणराज्य/Republic of India)】
タイムゾーンはGMT+5:30で、日本より3時間半遅れています。
公用語はヒンディー語と英語ですが、ヒンディー語とは異なる言語を公用語としている州も多く存在します。また、英語も独特の訛りのヒングリッシュである場合が多いです。
通貨はインド・ルピー(₹と表記)で、記事中はルピーと記載します。
2025年1月現在のレートは1ルピーが1.7137円ほどですので、60ルピーなら日本での100円強の感覚ですね。
電源は220〜240V(50Hz)でコンセントはBタイプ・B3(D)タイプ・BFタイプ・Cタイプ、またはそれらのマルチタイプが一般的で、まれにAタイプにも対応したものもあります。
2025年1月22日 Day.141
列車は夜なので宿に荷物を預け、トイレの不安もなく冷房の効いたショッピングモールで時間を潰す作戦に打って出ます。
ショッピングモールはセキュリティーがしっかりしており、大人同伴でないと子供は入れないようで、冒険したいお年頃って感じのローティーンな女の子たち数名からツレのフリをして一緒に入店してくれないかとお願いされました。
悪いことをする子たちには見えませんでしたので、パーティー編成にかなり無理があってダメもとながら強行してみると、やはり彼女たちだけセキュリティーに阻まれてしまいました。
ただ、最終的には温情措置で入ることができたようで、別口で先に入っていたのであろう男の子たちと合流して楽しそうにセルフィーを撮っている姿を館内アチコチで目にしました。
居座る気満々で入ったショッピングモールですが、計算外なことに全館どこにもフリーWi-Fiがありません。
暇潰しに限界を感じたので、Wi-Fiを求めて近場のカフェを覗きますが、店先で漏れ電波をチェックする限りはWi-Fiはなさそうでしたので、地図で見かけたSTARBUCKSに居座る作戦に変更しました。
日本ではもっぱらセブンカフェですし、行くとなったらDOUTORにすると思うので、STARBUCSにまともに入店したのはここインドのコルカタが初です。
呪文詠唱がもどかしいので術式省略でシンプルにホットのカフェラテをオーダーしてWi-Fiをゲット。150ルピー(約258円)/杯でした。高いWi-Fiです……
コルカタからワーラーナシーへと移動
19:00過ぎに宿へと戻り、荷物を回収してハウラー駅へと向かいます。
インドでの配車アプリはUberかOlaで、今回の時間帯・ルートで見比べるとOlaの方が少し安かったのでそちらで配車を予約。
19:45、ハウラー橋が渋滞していて少し時間がかかりましたが、早過ぎず遅過ぎず良い感じの時間に駅へと到着できました。端数切り上げで300ルピー(約515円)でした。
ハウラー橋も見えて駅も電飾でかわいく、なかなかに賑わっていて少しインド感がありますね。
まったくの余談ですが、インド鉄道駅ホームのアナウンス音はWindows 95の起動音(tada.wav)だったりダイアログ表示音(chimes.wav)だったりで、1995年当時の始業前のオフィスを思い出します。不安定っぷりに嫌気がさして早々にWindows NT 4.0に塗り代わりましたが……
20:00、私たちの乗る列車がプラットホームに入線してきました。
インド鉄道は車両編成が長いので、自分の乗る車両を探すのがひと苦労というお話しでしたが、ここは大きな駅だからか電光掲示板に車両番号が表示されていて分かりやすいです。
20:20、ガコンという揺れとともにゆっくりと列車は走り始めました。始発駅だからか定刻での発車です。
片方の寝台に一緒に居たりして片方を空けておいたりすると、どこからともなくオッサンが現れて「ふぅ、よっこらせっと」と自然な流れでくつろぎ始めようとするので、いちいち追い払わないといけません。
どこからともなくやってくるオッサンはあちこちに生息しており、検札にやってきた職員に見つかってはいちいち口論になっていました。
それ以外は3A(エアコン付き3等車=3段ベッド仕様)の治安と民度はマトモで、一応、バックパックはワイヤーロックで繋ぎ止めて貴重品を手元に寝ましたが、それなりに油断できそうな感じではありました。
シーツとブランケットと枕は割り当たりますが、上段はエアコンの吹き出し口が近くて少し寒かったり、中段は狭く対流が悪くて下段より暑かったりなどありますので、調整の効く服装での乗車をオススメします。
なお、下段は中段と上段の人の座席も兼ねますので、寝台列車ではもっとも他人に煩わされない上段をオススメします。
途中で乗り降りする人たちが騒がしかったり、時間を問わずひっきりなしに物売りが通りますので熟睡はできませんが、横になれますしコンセントもありますのでLCCでの長距離フライトとかよりは断然快適です。
2025年1月23日 Day.142
11:15、15分遅れとほぼほぼ定刻運行にて列車はワーラーナシー・ジャンクション駅へと到着しました。
列車が停まりきる直前にホームの乗客が堰を切ったように押し寄せて列車に雪崩れ込み、降車も乗車も抜き差しならぬ状況に怒号も飛び交いますが、そもそも指定席にそんなに慌てて我先にと乗り込む意味ってあります?
宿まではそこそこ距離もありますので、道すがらオートリキシャーでも拾おうと歩き始めますが、どいつもこいつも限度を知らずふっかけて来るもので結局は半分近く歩きました。
ようやく宿に着きましたが、ここには部屋の空きがないので別の部屋を案内する、心配するなノープロブレムだ、などと言い出しました。
あ、マトモそうな宿を撒き餌にボロ宿に割高で泊まらされるヤツだ……と警戒しましたが、改装工事中という問題はありつつも当初のよりキレイめなところを案内されて一安心。失念しましたが公式サイトっぽいところからの予約で1,792ルピー(約3,071円)/泊でした。
エレベーターは工事中で階段のみ、屋上は建築資材などが転がっていて落ち着ける環境ではないものの、自由に出入りできてガンジス川も見渡せます。
とくに大きな不満はありませんでしたが、こと細かに給湯器の電力を元から切ってくるので、お湯を使いたい時にフロントに言って電力を戻してもらい、さらに沸くのを待ってというのだけはとにかく面倒くさかった……
ガンジス川
近所を散策してみると、ガンジス川沿いのあたりは細く入り組んだ小路と行き交う人々、そこかしこに落ちている糞と製造元たる牛が闊歩し、ガートと呼ばれる階段状の沐浴場。思い描いていた通りのインドはここにありました。
夕方になって、説明不要の有名店「Baba Lassi」に寄ってからダシャーシュワメード・ガートのプージャと呼ばれる礼拝の儀式を見学しましたが、川岸の席はもちろん観光船が川を埋め尽くしていてインド人観光客の人手が凄まじかったです。
2025年1月25日 Day.144
ワーラーナシーで多くの日本人バックパッカーが集う有名な宿と言えば「久美子の家」ですが、ここしばらくは休業ということで「サンタナ」の方に行ってみることにしました。
普段わざわざは日本人宿を選ばないのですが、数多の先人の足取りを辿ってみたいというのと、インド好きリピーターも宿泊していそうですので、インドについていろいろと教わりたい思いもありました。
初日はドミトリーしか空きがなく600ルピー(約1,029円)/ベッド、翌日からはデラックスルーム2,200ルピー(約3,771円)/泊となかなかのお値段。リピーターも以前は安すぎたにしても最近の高騰っぷりはやりすぎと声をひそめていました。
宿も定まったところで、これまた説明不要の有名店「Blue Lassi」に行ってみましたが、こちらはインド人で大盛況。お客さんにオススメされたドライフルーツ&ナッツがとても美味しかったです。120ルピー(約206円)/杯でした。
他には最初の宿の近所(アッシー・ガート近辺)の「Ever Green Lassi」のプレーンラッシー40ルピー(約69円)/杯もシンプルかつリーズナブルで「こういうのでいいんだよ、こういうので」的なお気に入りです。
マハー・クンブメーラ!?
ところで、日に日に街に人が増え続けているような気がしていたのですが、実は2025年1月13日〜2月26日の予定でワーラーナシーから130kmほど西のप्रयागराज(इलाहाबाद)/Prayagraj(Allahabad)(以下「プラヤーグラージ」)にて「クンブメーラ」と言う世界最大級の宗教行事が開催されており、しかも今年は12年に一度の特別な「マハー・クンブメーラ」であるとのこと。
同宿の方々と話していてはじめて知りましたが、それ目当てであればともかく完全に巻き込まれた形になった私たち含めた一同は苦笑い。
ちなみに前回の2013年の巡礼者は推定7,000万人ということで、その一部としても相当な数の巡礼者たちがここワーラーナシーにも入って来ていたのです。
2025年1月27日 Day.146
混雑はとどまることを知らず、道路もガートもそこを結ぶ小路さえもインド人観光客で埋め尽くされ、時折、意を決して宿から出た人も3分後には諦めて帰ってくる有り様でした。
その影響はとても大きく、鉄道もここワーラーナシーから各方面すべて3ケタのキャンセル待ちで、今後の移動はもはや詰んだとも言うべき状況です。
この先どうしようかと悩んでいたところ、疲れ果てて屋上テラスで休む同宿の男女ペアを発見。
聞くとでマハー・クンブメーラに参戦すべくダメ元で朝イチに駅に行き、4時間がかりで揉みくちゃになりながらもチケットを確保して帰ったところとのこと。
渦中のプラヤーグラージ行きが買えたのであれば、それ以外の方面はまだまだ可能性がありそうです。
彼らは「駅に行くならこれをどうぞ」と、他にも困っている人がいるかもと余分に持ち帰った分の予約フォームを分けてくれました。
こういう優しさと気遣いに触れられるのも日本人宿ならではですよね。混雑していると予約フォームをもらうにもひと並び、記入したらもうひと並びですので、予約フォームがあるだけで大幅短縮が可能になり大助かりです。
ワーラーナシーのインド鉄道の予約窓口
ワーラーナシー・ジャンクション駅のチケット予約窓口は駅舎から東北東に離れたこちらの建物でした。
駅舎の方から行くとぐるっと回り込まなければなりませんので、駅前の道路側から向かうと良いです。
写真の場所から入って案内の通りに進めば入り口があって建物に入ることができます。
到着してみると意外にも混雑しておらず、もしや空席が尽きたのではと不安がよぎりますが幸いにも列が捌けていただけで、事前に記入しておいた予約フォームを提出してすんなりとチケットを入手できました。
最後に私たちも予約フォームを何枚かもらい、それらは宿の休憩スペースに置いておきました。
2025年1月28日 Day.147
インド人、インド人、インド人……
インド人観光客は増える一方で、道路もガートも埋め尽くされ、船もどこから集まったのか倍以上に増えてガンジス川とその周辺はもうキャパいっぱいです。
火葬場もインド人観光客で溢れて四方八方からスマホの手が伸び、とてもじゃないですが生と死とが……なんて思いに耽ることは不可能でした。
一応ですが参考までに、生々しいにおいではなくて薪が大量に使われていて焚き火のようなにおいでした。
人出を避けて用もない行き着く先も分からない小径を進んでいると、日陰で昼寝している推しを発見してカメラを向けたら後ろのメンバーがファンサくれてて推し増し迷っちゃいました(笑)
さて、最初はインドに来た実感が湧かないとかイキっていた私たちでしたが、もう胃もたれするほど十分に実感も湧きましたし、身動きが取れなくなる前にここワーラーナシーを脱出して次へ向かうとしましょう。