#9 旅の準備②、パタヤで日本の免許証を切り替え
多くの外国人観光客がにバンコク次いで遊びに行くのがパタヤ。ビーチでのんびりするもよし、夜の一大歓楽街もあり、それらがコンパクトに同居している便利な街です。いや、遊びに行く訳ではなく…。
タイの物価やリタイアメントビザといった受け入れ体制のアドバンテージ。そしてその住み良さから、パタヤは引退組や沈没組を含めて長期滞在する外国人が多く集まる街です。
その性質からパタヤでは外国の免許証からタイの免許証への書き換えがしやすくなっていると聞き、私たちもビザ免除の短期旅行者ながら免許証の切り替え発行に挑戦しに向かったのでした。
記載内容は2024年9月時点のものです。ご旅行の際は最新の情報も合わせてご確認ください。
目次
【タイ王国(ราชอาณาจักรไทย/The Kingdom of Thailand)】
通貨はバーツ(฿と表記)で、記事中はバーツと記載します。
2024年9月現在のレートは1バーツが4.2235円ほどですので、25バーツなら日本での税込み110円の感覚ですね。
2024年9月6日 Day.66
宿をあとにしてパタヤ行きのバスが出るエカマイの東バスターミナルまで移動、エアコンバスで17バーツ(約72円)/人でした。
バンコクからパタヤへ移動
パタヤへはバンコク市内からですとBTSエカマイ駅からすぐのバンコク東バスターミナルからバスで3時間ほどです。スワンナプーム国際空港の1階からパタヤに行くバスもありますので就航路線次第では日本から直接向かうといったこともできます。
パタヤ行きの取り扱いカウンターは多数ありますが28番カウンターがバスで他の押しの強い窓口はロットゥー(ミニバス)です。ロットゥーの方が便が多くて早いですが、割高だったり荷物が乗らなかったり座席が狭かったり半端な場所で降ろされたりという面もありますので、旅行者は基本的には28番カウンターでバスのチケットを買うのが良いと思います。
おおよそ1時間毎に出ていてカウンターにもチケット販売中の次発便の時間が掲げられています(今回は13:30の便でした)。131バーツ(約553円)/人でした。
ちょうどお昼から夕方にかけての時間帯でしたので渋滞に引っ掛かることもなく、バスは3時間ほどで北パタヤバスターミナルへと到着しました。
声をかけてきたソンテウのおっちゃんに聞くと宿まで50バーツ(約212円)/人とのこと。外のノースロードを走っているはずの流しのソンテウを起点に乗り継げば少し歩くものの20バーツ(約85円)/人で行けるはずです。悩ましいところですがソンテウには先客も待機中で私たちが乗ればすぐにでも発車という雰囲気でしたし、宿までダイレクトに行けるのも魅力ではあるので人助けにかこつけて乗車しました。
宿はソイブッカオ沿いのChill Inn。レストランの上階に位置しており、レセプションはレストラン内で入り口はレジカウンター奥の階段という隠しダンジョン仕様です。465バーツ(約1,964円)/泊ほどでした。
パタヤはどこもそうですが周囲のバーが明け方まで賑やかです。うるさいと目くじら立てたところでキリがありませんので、割り切って夜型生活に切り替えたり昼寝して夜更かしして街のリズムに合わせましょう。
2024年9月7日 Day.67
遊びまわるのは後にして、真っ先にミッションをこなして行きましょう。
タイでは日本の国外運転免許証からタイの運転免許証へと切り替え発行することもできます。ただしそれはあくまで長期滞在者や在住者に向けての措置であり、原則として少なくとも3か月以上の滞在者だけが対象のようです。
私たちのようなビザ免除での短期旅行者の場合だと、直近ではバンコクでの成功例はまず見かけなくなっていますが、ここパタヤではまだ受け付けてもらえている事例がチラホラとありそうでしたので、わざわざここパタヤまでやってきたという訳です。
日本の国外運転免許証とタイの運転免許証
ここタイも日本と同じジュネーブ条約締約国ですので日本の国外運転免許証を使用してタイ国内を運転できます。他にも警視庁のジュネーブ条約締約国等一覧に掲載のある通り、日本の国外運転免許証では多くの国で運転できます。
だったら別に要らないのでは?と言うのは大多数の人にとって確かにその通りでありつつ、一方、タイが好きで何度も訪れる人にとってはメリットがあります。
- 日本の免許証と同様にカードサイズなので嵩張らない(財布にポン)
- 日本の国外運転免許証は有効期限が1年間だがタイの免許証なら初回は2年で以降は5年更新(長持ち)
- パスポート原本を携行し忘れても身分を証明できる(タイ国内での正式な身分証明書)1
- 観光地の入場料など二重料金が設定されている場合にタイ人料金で済む場合がある(ローカルプライス)
それはそれとして、私たちの主目的は他にあります。
道路交通に関する条約はジュネーブ条約の他にウィーン条約があり、東南アジアで言うとインドネシアとベトナムとミャンマーと東ティモールはウィーン条約締約国であり、正式には日本の国外運転免許証では運転することはできません。
しかしタイの運転免許証はASEAN協定加盟国内では国際運転免許証として有効なので、タイの免許証があるとインドネシアとベトナムとミャンマーでも正式に運転できるのです。簡単に言って東南アジア圏ならタイの免許証ひとつあればオールOKということです。タイはもちろんベトナムも好きで通っている(旅行記サボってたことをうっかり自白…)私たちにとって一番の魅力がこの点でした。
(2024年10月10日追記)
初回発行時と更新時でも短期滞在者の場合に発行される有効期限が2年間のテンポラリー免許証は国際運転許可証の申請はできません。では『ASEAN諸国内で有効』という部分についてはどうかというとテンポラリー免許証に関しては無効のようです。
あまり情報がないのですが、1985年7月9日に署名されたAgreement on the Recognition of Domestic Driving Licenses Issued by ASEAN CountriesでのARTICLE 1に「テンポラリー免許証を除く」と明記があり、その他の改版でも該当部分についての更新はなさそうですので、有効ではないという理解になると思われます。
そのため、長期滞在者の場合に更新発行される有効期限が5年間の本免許証に切り替わるまではタイ国外での運転免許証としては使用できないようです。
私たちは日本で普通自動車第一種免許と普通自動二輪車免許を保持しており、今回は旅行先で観光スポットへ足を伸ばすのに便利な自動二輪免許だけ切り替え発行する目論見ですが、自動車免許でも基本的な流れは一緒で同時申請も可能なようです。
なお、タイを含め東南アジアのレンタルバイクは110cc〜150ccレンジが最小で、いわゆる原動機付自転車免許では運転することはできませんのでご注意ください。
日本の国外運転免許証からタイの運転免許証を切り替え発行するために必要なもの
最終的に陸運局に提出することになるものは以下の通りです。
- 日本の国外運転免許証(表紙、顔写真、英文の各ページのコピー)
- パスポート(顔写真、入国スタンプ、TM6出国カードの各ページのコピー)
- 居住証明書 (Residence Certificate)
- 健康診断書 (Medical Certificate) ※1か月以内に発行されたもの
- eラーニング受講結果のQRコードの画面(プリントアウト)
このうち、居住証明書は入国管理局、健康診断書はクリニックで発行してもらう必要がありますので、今日はその下準備を済ませることにします。
居住証明書の申請には顔写真が2枚とホテルの領収書やバウチャーが必要になります。写真は横4cm×縦6cm程度ということですが、あまり厳密ではないそうなので手持ちに適当なものがあればそれを持ち込めば良いと思います。
まず、宿の近くのプリント屋さんで写真の撮影とバウチャーをプリントアウトしてもらいました。
証明写真をお願いするとまず店内のトイレを案内され、撮影前に気が利くことで…と思ったら勘違い。トイレの扉の前に立たされコンデジでサクッと2ショットほど撮影して採用カットを選んだら、あとは専任スタッフと思われる子がせっせと無背景の証明写真に仕上げてくれました。
ちなみにタイでの証明写真は襟付きシャツが好ましいらしく、希望により襟付きシャツを着ていたテイにも仕上げることすら可能らしいです。余った分はどこかのビザ申請とかに流用しようと思い横4cm×縦5cmくらいのを4枚セットで100バーツ(約423円)でした。
ドキュメントはLINE経由でデータを送ってプリントアウトしてもらう方式で、A4モノクロで5バーツ(約22円)/枚でした。他の店のレビューでプリントアウトは20バーツ(約85円)/枚みたいなのも多く見かけたので、写真を含めてこちらのお店の価格設定は良心的だったように思います。
続いてその足で宿の近くのクリニックで健康診断書も発行してもらいました。
入って開口一番「メディカルサーティフィケート!」で、あちらも「ドライビングライセンス?」で話が早い。身長と体重を聞かれてあちらが要所を埋めた後、氏名や滞在先住所を自筆したら完成。実測ひとつなく血圧までもが埋まっているのはご愛嬌。普段の数値からかけ離れてはいなかったのでヨシ。100バーツ(約423円)でした。
2024年9月9日 Day.69
いざ、チョンブリー入国管理局へ居住証明書を発行してもらいに行きます。
入国管理局はパタヤの南のジョムティエンエリアにあり、ジョムティエン方面に向かうソンテウはサウスパタヤロードとセカンドロードの交差点の南側に待機しています。パタヤ中心地から行く場合はビーチロードでソンテウに乗り込んだらウォーキングストリート手前で左折してセカンドロードへと左折する直前で降りて、道路を渡って待機しているソンテウへと乗り継ぐ感じになります。
ただ、そのソンテウはジョムティエンセカンドロードに入る手前のタップラヤー通りに沿って右折してしまうため、そこで降りて残り500mほど歩く感じになりますが、ソンテウ2本で合計20バーツ(約85円)/人で行くことができます。
入国管理局で居住証明書を発行①
今日は月曜日なので朝イチよりは昼休み明けくらいの方が落ち着いているかもと13:30過ぎに来てみたのですが、そんなことはなく普通にめちゃくちゃ混雑していました。
入国管理局の左手の建物が総合受付です。何をするにもここに並び直して各部署の受付番号をもらう方式でした。
総合受付で居住証明書が欲しいことを告げるとTM30の申請が済んでいるか確認があり、いっぱしのホテルであればともかく怪しいものであり、いずれにせよ登録サイトのスクショなり書面の半券なり証票を何ひとつもらってきてはいないので、まずはこちらとTM30の申請用紙を渡されました。
TM30申請の添付書類は以下の通りでした。
- パスポート(顔写真、入国スタンプ、TM6出国カードの各ページのコピー)
- ホテルのバウチャー
そう、空路で入った方であれば不要なのですが、この入国管理局での手続きまわりで書類不備になるのがイヤだったので#8 旅の準備①、バンコクで予防接種編でTM6出国カードの再発行に奔走していたという訳です。
同じ建物のカウンターとは逆サイドにコピー屋さんが居て、申請内容に合わせて必要な分を3バーツ(約13円)/枚でコピーしてくれます。
TM30申請用紙はオーナーの名前だの年齢だの住所だのは埋めようもなく、当然ながらオーナーの署名も委任状ももらいようがない状態でしたので、書けるところだけ書いてコピー類に署名して総合受付に見せると10番カウンターの番号札が発券されました。
入国管理局の右手の建物に入り、真ん中あたりの10番カウンターから番号が呼ばれるのを待つことしばし。
ザッとググった感じ、TM30申請用紙は空欄ひとつでもあれば受け付けてもらえなかったとか、一方で居住証明書の申請受付時に係官がついでに登録しておいてくれていたとか非常にばらつきが多いようです。しかしその辺はさすが右も左も分からぬ外国人ばかり相手にしているチョンブリー入国管理局と言うべきか、すんなりと受付済みの半券が返って来ました。
これでようやく本番。再び総合受付に並ぶと居住証明書の申請用紙を渡されました。
居住証明書申請の添付書類は以下の通りでした。
- パスポート(顔写真、入国スタンプ、TM6出国カードの各ページのコピー)
- 顔写真×2枚
- TM30申請の半券
が、ここで本日の受付は終わったので明日また来いとの指示。まだ14:30なのに!!
居住証明書申請用紙を埋めてコピー類に署名するところまで済ませて帰路につきますが、帰りは出てすぐのジョムティエンセカンドロードを走る流しのソンテウがそのままパタヤセカンドロードへと抜けて行くようでパタヤ中心地まで1本で帰れます。
1回なので10バーツ(約43円)/人という場合と2区間扱いで20バーツ(約85円)/人を要求される場合とがあり明確な運賃は不明。とりあえず10バーツを出してみて何か言われたらもう10バーツ払う感じで大丈夫だと思います。
2024年9月10日 Day.70
今日は昨日の反省から朝イチで入国管理局へと向かいましたが、曜日もあってか明らかに空いていました。
入国管理局で居住証明書を発行②
総合受付に居住証明書申請用紙と添付書類を見せると今度は9番カウンターの番号札が発券されました。
入国管理局の右手の建物に入り、なかなか呼び出しの始まらない奥の9番カウンターから番号が呼ばれるのを待つことしばし。居住証明書申請用紙と添付書類を見せて発行手数料300バーツ(約1,268円)/枚を支払い、ということは通ったか!?
係官「はい引換証。14:00に受け取りね。」
通った!! けど、今、9:00なんですよね。5時間もここらで時間を潰すのはしんどそうなので出直します。
入国管理局で居住証明書を発行③
三度目の正直。さすがに通い慣れた、いや、通い飽きた(笑)
引換証にはカウンター14へと書いてありますが、そんな番号のカウンターが見当たりません。考えるのも面倒になってきたので、入国管理局の右手の建物の手前のカウンターに引換証を見せてみると、脇のカゴを漁って居住証明書を渡されました。ようやく入手できました。
長期滞在者や在住者は諸手続きをVISA代行屋に丸投げしていて、なぜにお金をかけてと疑問に思っていたのですが、確かにこのお役所仕事に翻弄されるのはしんどい。気持ちの一端がちょっとだけ理解できた二日間でした。
2024年9月11日 Day.71
なんとかスタートラインに立ったところで本番はここから。陸運局は田舎にあり朝イチで向かうべく昨夜からバイクをレンタルしておきました。
遠回りですがスクンビット通りと36号線を使うルートが分かりやすくてオススメです。流れは早めなので合わせられないと危なっかしいですが、信号も少なく道路も広くて走りやすいので、所要時間的にもかえって早いかも知れません。
陸運局でタイの運転免許証を発行①
外の受付はタイ人と外国人とに分かれており、建物に近い側のテントが外国人の待機場所です。
受付に行くと予約が済んでいるか確認があり、まだである旨を告げると予約ノートの空き状況から明後日の8:30との指示。午後でも明日でもなく明後日。どうにかなる話でもありませんので指定されるままに予約を入れてもらいました。
最後に次回までに済ませておくようにとeラーニングの受講用QRコードを渡され、来て数分ですが本日はそこまでです。
予約ノートを見る限りは8:30と13:30との2回それぞれ10名ずつ受け付けている様子で、私たちの滑り込んだ明後日も8:30側は最後の2名で13:30側はフルでしたので、もう少し遅かったら翌営業日である週明けに回されてしまっていたことでしょう。
2024年9月12日 Day.72
すんなり進む願いも込めて2日間で契約していたレンタルバイクを1日延長してもらい、eラーニングの受講だけを済ませておきました。
パスポート番号をもとにアカウントを作成して、4チャプターからなる動画を見ながら合間で出題される問題に答える方式です。
これがなかなか曲者でした。基本が英語音声でタイ語パートは英語字幕という英語漬けの1時間。最初こそ真剣に見ていたら出題はランダムなのか動画の内容とはまったく関連性がなく、選択肢も適切たりうるものが複数あって択一的でなかったり。トドメは正誤表示も何もなく受講結果のQRコードの画面がババーンと出て終わるドキドキ仕様です。
スクリーンショット保存ボタンも設置されているので忘れずに保存しておきましょう。ログインして受講結果のQRコードを再表示できる仕組みにはなっていそうでしたが、それを過信していざという時に通信網やサーバーに障害が出てアウトとか笑えません。
2024年9月13日 Day.73
まず陸運局の外にあるコピー屋さんで必要なコピーを取ってもらいながら、並行して署名を書き込んで行きます。コピー屋さんは何軒もありますが店によって3バーツ(約13円)/枚だったり5バーツ(約22円)/枚だったりバラつきがあるようでした。
eラーニングの受講結果のQRコードも結局は紙での提出を求められますので、一緒にプリントアウトを依頼しましょう。
陸運局でタイの運転免許証を発行②
初日と同じ受付に書類を提示して確認してもらい、問題がなければ番号札を渡されて2階で待つよう指示があります。
2階に上がった外国人は講習室に集められてしばし待機となり、予定枠の全員が揃った頃合いで係官の引率で全員で試験室へ向かいます。
最初は色覚テストで、信号色の緑黄赤の3色の光がバラバラに配置されたパネルから指さされた箇所の色を素早く答えると言うものです。優雅なマダムが優雅に答えていると試験管が「早く! もっとだ!! 次は!!!」と体育会系のノリで煽るのが面白かったです。
続いては反応速度テストで、足元にアクセルとブレーキを模したフットペダルがあり、アクセルを踏むと離れた所にある緑のランプが点灯、そのまま踏み続けてランプが消灯したら速やかにブレーキに踏み替えると言うものです。左足で操作しようとするおじいちゃんとブレーキ操作すらも優雅すぎるマダムが不合格でしたが、付き合いの良い試験管だったのか居残りで5周くらいリトライして合格させていました。運転させちゃダメ! 逃げて!! タイの皆さん!!!(笑)
テストは以上で、合格者はカウンターで発行手数料105バーツ(約444円)を支払った後に写真を撮影。10分ほどで運転免許証が発行されました。8:30に行って9:45頃には免許証を手にできましたのでトータルで1時間15分ほどで完了したことになります。
同様のケースを保証するものではありませんが、これは現状もまだビザ免除の短期旅行者でも運転免許証の切り替え発行ができたというひとつの事例です。とは言え入国管理局での居住証明書の発行と陸運局の予約の空きに大きく左右されるのは確実なので、最低でも1週間くらいは滞在日程を組まない限りは時間切れで途中帰国する羽目になりそうですね。
これで無事にパタヤでのミッションはコンプリートとなりました。パタヤには遊びに来た訳じゃないですが、祝杯くらいはあげていいですよね?(笑)
タイなど多くの国では外国人はパスポートの携行義務がありますが、常にパスポート原本を持ち歩くのは正直とても煩わしく、紛失したりした場合は非常に困ったことになるので怖いです。念の為にパスポートのコピーだけは常時携行しておくと少し安心です。 ↩︎