#8 旅の準備①、バンコクで予防接種
タイのバンコクでは黄熱病や狂犬病などの予防接種を日本より格安で受けることができるため、実質、西回り旅行者の旅の玄関口となっています。私たちも遅ればせながら世界一周旅行者準備事項のひとつである予防接種を済ませていきます。
記載内容は2024年9月時点のものです。ご旅行の際は最新の情報も合わせてご確認ください。
目次
【タイ王国(ราชอาณาจักรไทย/The Kingdom of Thailand)】
通貨はバーツ(฿と表記)で、記事中はバーツと記載します。
2024年9月現在のレートは1バーツが4.2540円ほどですので、25バーツなら日本での税込み110円の感覚ですね。
休憩停車から5時間、21:30過ぎにバスはバンコクのカオサンロード付近に到着しました。もう少し北のBanglamphu Square周辺がドロップポイントだったのだと思うのですが、VIPバスで混み合っていたため我々のノーマルバスは脇道に外れての停車となったようです。
ギリギリ間に合いました。
宿はBangkok Canale Home @Khaosan、カオサン通りから徒歩10分ほどとアクセスも良く、運河に面した静かな場所でトーストやシリアルとコーヒーの軽い朝食付きなのもありがたかったです。458バーツ(約1,949円)/泊でした。
2024年8月29日 Day.58
別にオトナですからまったくもって平気ではあるのですが、注射されに行くというのは本当に気乗りしませんね。とは言え済ませないことには安心して旅ができないどころか渡航できない国さえもありますので、さっさと済ませてしまいましょうか…。
タイ赤十字病院(スネークファーム)でワクチン接種
できるだけサクッと終わらせたいのでタイ赤十字病院のオープン直後を目がけて出発。民主記念塔近くのバス停から路線バスで30分ほど、20バーツ(約86円)/人で到着しました。バンコクはバス路線も多く何より安いので、Google Mapsと併用でViaBusというスマホ用アプリを入れておくと便利です。
最初に言ってしまうと、予防接種についてはこのタイ赤十字病院の本館ではなく別の建物の方に移転していました。COVID-19の臨時接種会場の跡地をそのまま予防接種会場として転用したのかも知れませんね。
中に入るとタイ語で読めない案内板が掲げられており、矢印の通りに左手側に抜けて右奥に見えるテントと別館がそれでした。
まず、この受付で初診登録を済ませます。
- 写真中央手前の記載台で初診登録フォームを記載する
- 写真中央奥のセルフ血圧測定器で血圧を測って結果を取る
- 写真中央やや右の発番機で番号札を発券する
- 写真右手のカウンターから自分の番号が呼ばれたら初診登録フォームと血圧測定結果とパスポートを提出する
- 内容を確認後に中待合室に入って書類を提出する旨で指示があります
受付待ちが多そうでしたら先に受付番号を発券しておいて、呼び出されるまでの間にフォームの記載と血圧測定を済ませると良いでしょう。
初診登録フォームはタイ語版のほかに英語版も置かれています。
中待合室に入ってすぐのカウンターに書類を提出して、登録料の20バーツ(約86円)を支払って診察券を受け取ります。
少し待って番号で診察室(中待合室のカウンターの左隣)から呼び出されますので、中でドクターに希望するワクチンを伝えると接種スケジュールを組んでもらえ、本日分の処方箋を発行してくれます。ちなみに病名などの単語レベルだけなら日本語が通じるドクターでした。
ドクターにもよるのかも知れませんがノープランで来て悠長に相談に乗ってくれる感じではありませんでしたし、そもそもここはトラベルクリニックという訳でもないのでカウンセリングは業務外でしょう。どのワクチンを打つのかは事前に決めておきましょう。
私たちの場合は以下の通りで本日4ショットと来週3ショットをバンコクで受け、半年後指定のものは追ってどこかで接種ということに決めました。
ワクチン | 初回 | 1週間後 | 半年後 |
---|---|---|---|
黄熱病 | ○ | - | - |
狂犬病 | ① | ② | - |
破傷風 / ポリオ | ○ | - | - |
日本脳炎 | ○ | - | - |
腸チフス | - | ○ | - |
A型肝炎 | - | ① | ② |
続いてナースステーションで処方箋の確認を受け、薬局に処方箋を提出してワクチンを購入したら再びナースステーションで再確認を受けます。失礼ながら意外とちゃんとしているんだなと感心。
ワクチンの料金はそれぞれ以下の通りでした。
- 黄熱病:1,550バーツ(約6,594円)
- 狂犬病①:350バーツ(約1,489円)
- 破傷風/ポリオ:700バーツ(約2,978円)
- 日本脳炎:600バーツ(約2,552円)
会計時には診察料の100バーツ(約426円)と黄熱予防接種国際証明書(いわゆるイエローカード)発行手数料の100バーツ(約426円)も合わせて支払います。合計額がなかなか大きくなりますが現金のみの受け付けです。
続いて処置室から呼び出され、注射器が準備され並べられたサディスティックな風景に黙って腕を差し出すのみ。
この処置室はドアは開けっぱなしが基本のようで、待っている間ずっと見ていたのですが、タイ人は顔を背ける派が大多数でした。ちなみに私はいつ刺さるかが分からない方が余計に怖いのでガン見する派です。
手慣れた感じでプスプスプスプスっと4ショットいただきました。
ナースステーションよりワクチン接種記録簿を渡され、あとは15分くらい様子を見て問題がなければ自己判断で帰ってOKとのことで、第一弾は無事に完了となりました。
出国カードが…ない…
タイ赤十字病院でパスポートを出した際に違和感を感じていたのですが、そういえばここ最近TM6フォームの半券(いわゆる出国カード)を目にしていません。
記憶にはないけどワンチャンどこかへ除けたのだろうと宿に戻って荷物をひっくり返しますが、記憶は正しかったようでやはり見つかりません。いつも通りタイの入国スタンプのページに挟んでおいたのですが、宿のチェックインや両替などでパスポートを渡した際に落とされたのでしょう。昔からなくしそうでなくさなかかったのに、このほぼ廃止へというタイミングではじめてなくすとは…。
タイからの出国は陸路を予定していて、そこは前出の出入国カードを期間限定で不要としてる検問所でもないので、出国カードを求められる可能性はそれなりにありそうです。さすがに出国できないということはないでしょうけど、すんなりとは行かなさそうです。
わざわざリスクを取る理由もありませんし、正規の対処としては入国管理局に紛失証明書とパスポートを持参して再発行とのことなので、はじめてついででとことん行ってみましょう。
警察署で紛失証明書(ポリスレポート)を発行してもらう
最寄りの中でも24時間で、何となく外国人慣れしていそうなイメージからカオサン通りの端の警察署へと向かいました。
入り口近くに総合受付っぽく男性警察官と女性警察官のペアが座っていたので、TM6フォームの出国カードをなくしてしまったので再発行に必要な紛失証明書を発行して欲しい旨を伝えますが、そもそもこのTM6というものがピンと来ていない様子。
周囲の同僚をも巻き込んで紛失物が何なのかを理解してもらうまでが一苦労でしたが、その後は男性が厳しい顔でGoogle Translateを交えて事細かに状況を聴取し、横で女性がまとめて書面に落とし込んで行き、何やかんやで20分近くをかけて完成。
女性から紛失証明書を受け取って(タイ語なので読めませんが)内容を確認していると、男性がGoogle Translateの画面を差し出し、他にも確認事項があったのかなと思い覗きこんでみると『あなたの国に行ったことがあります。あなたの国は清潔で素晴らしかったです。私はまた行く可能性があります。』(原文通り、翻訳精度を考慮して意訳すると日本旅行がとても良かったのでまた行きたいという感じかと)とニッコリ。そこでデレる破壊力!(笑)
断られたり謎の手数料を請求される場合もあると見かけましたが、そのようなこともなくしっかりと対応してくれたチャナソンクラーム警察署の皆様、本当に「
2024年8月30日 Day.59
続いて入国管理局ですが、バンコクの北のはずれのThe Government Complexという政府機関の複合施設のB棟に入っているとのこと。
路線バスと徒歩とで2時間近くかけて行って20バーツ(約86円)/人でしたが、MRTピンクラインでGovernment Complex駅からアクセスするのが一般的らしいです。
バンコク入国管理局では出国カードの再発行はしてもらえない
入国管理局はThe Government ComplexのB棟に入っているのですが、館内案内はタイ語のみでさっぱり分かりません。さいたまスーパーアリーナのように広大な吹き抜けのフロアと複階層の外周という構造なので見渡して見える距離感でもなく外周をぐるっと回って探すしかありません。
結局、入国管理局はこのフロアの左奥にありました。
混雑ぶりから話半分で「TM6は今は必要ないから大丈夫。次の方〜」などとあしらわれかけますが、食い下がって陸路で抜ける予定である旨も補足すると、再発行はここではできないから別の場所に行く必要があるとのこと。
指示された場所は2kmほど先のIT Square Laksiというショッピングモールの3Fです。
別の階とか別棟とかならともかく離れたショッピングモールって…面倒になって適当なVISA代行屋に押し付けたんだったりして…。
不安になりながら3Fへ上がるとVISA代行屋が並んでいてゲンナリしかけますが、その奥にIMMIGRATIONの看板が!
受付で出国カードをなくした旨を告げると「再発行できるので安心してください」と力強いお言葉。ようやくゴールが見えてきました。
パスポートの顔写真のページと入国スタンプのページのコピーが必要とのことで、横のコピー屋で2バーツ(約9円)/頁でコピーを取ってもらってから、紛失証明書の原本を添えて提出し、番号札をもらって椅子で待つことしばし。
順番が来て中のカウンターに通され、そこでまた「TM6は今は必要ないから(略)」とイチからの話になりつつも、陸路で抜ける旨を説明すると理解いただけた様子で、10分ほどして再発行が完了しました。
新しいTM6フォームの出国カードのシリアル番号を二重線で消して元の番号を手書きで訂正記載しただけと見た目こそアレですが、正真正銘の正規の書類であり、これで出国時にも自信満々で提出できます。
今度こそなくすなよというメッセージか、しっかりクリップ止めしてくれていました。なお、再発行の時点では白紙状態なので記載内容を自分で復元しておきました。
2024年9月4日 Day.64
ワットパークナムって実際のところどうだろう
近年では「バンコク 観光」と調べると三大寺院と並んで出てくるワットパークナム。これがもうメディアで擦られすぎていて行く前から見飽きてしまっている訳ですが、やはりその場の空気感と合わせてリアルで見ないことには実力は計れない!
調べてみるとカオサンエリアからもバス1本で行けそうであり、エアコンなしバスで8バーツ(約35円)/人で行くことができました。
道中は乗客が少なかったこともあり、運転手のおっちゃんがGoogle Translateを駆使して色々と話しかけてくれ、ワットパークナムに行くと伝えると降りる停留所からその先の道順まで親切に教えてくれました。ありがたいですが危ないので運転に集中してください(笑)
天井画はメディアで見た通り綺麗です。きれいです(小並感)って…コホン。寒色と暖色の相反するネオンカラーで輝くさまは仏様の教えが陰も陽も森羅万象を照らし出す世界観を語りかけるかのようです。
仏舎利塔と天井画にフォーカスした画角が多くて知らなかったのですが、台座をぐるりと取り囲む蛇神ナーガがとても綺麗で、ここはとても新鮮に興味深く見ることができました。
残念だったのが多く訪れていた日本人観光客のマナーで、狙っていた景色にテンションも上がり、少しでも良い写真を撮りたいという気持ちは理解できますが、そこかしこでワーキャー騒ぎたてながらいつまでも場所を占有して写真を撮り続ける様は非常に見苦しい限りでした。
ここは映えスポットである以前にそもそも寺院であり、タイ人にとって大切で厳格な場所です。本来の意味で訪れる参拝客の邪魔になってはなりませんし、リスペクトをもって振る舞うべき場であることは明らかです。韓国語でも中国語でもヒンディー語でもなく、わざわざ日本語で大きく「お静かに」と張り紙されている意味を良く考えるべきでしょう。
2024年9月5日 Day.65
予防接種から1週間が経ちましたので、狂犬病の2ndショットと残りを受けにタイ赤十字病院へと向かいます。
タイ赤十字病院(スネークファーム)でワクチン接種《再診編》
流れは一緒ですが、初診ではないので最初のフローと提出物とが変わります。
- セルフ血圧測定器で血圧を測って結果を取る
- 発番機で番号札を発券する
- カウンターから自分の番号が呼ばれたら血圧測定結果と診察券とワクチン接種記録簿を提出する
- 内容を確認後に中待合室に入って書類を提出する旨で指示があります
- 中待合室のカウンターに書類を提出する
- 少し待って番号で診察室から呼び出されますので、中でドクターより本日分の説明を受けて処方箋を受け取る
- ナースステーションで処方箋の確認を受け、薬局に処方箋を提出してワクチンを購入して再びナースステーションで再確認を受ける
- 処置室から呼び出され、ズラリ並べられた注射器に腕を差し出す
- ナースステーションよりワクチン接種記録簿を渡され、15分くらい様子を見て問題がなければ自己判断で帰ってOK
プスプスプスっと3ショットいただきましたが、腸チフスがほかに比べ痛かった上に数日間は鈍痛が残るタイプでした。
ワクチンの料金はそれぞれ以下の通り。会計時には診察料の100バーツ(約426円)も合わせて支払います。
- 狂犬病②:350バーツ(約1,489円)
- 腸チフス:570バーツ(約2,425円)
- A型肝炎①:1,500バーツ(約6,381円)
残る半年後のA型肝炎②を忘れないことだけ注意が必要ですが、これにて予防接種はほぼ完了、バンコクでのミッションはコンプリートとなります。