ラオスのヴァンヴィエンも満喫できたところで続いてベトナムへと、旅人の間では修行の一環としても名を連ねるベトナム式寝台バスで移動します。

記載内容は2024年10月時点のものです。ご旅行の際は最新の情報も合わせてご確認ください。

目次

【ベトナム社会主義共和国(Cộng hòa xã hội chủ nghĩa Việt Nam/Socialist Republic of Vietnam)】

タイムゾーンはGMT+7で、日本より2時間遅れています。

公用語はベトナム語です。

通貨はドン(₫と表記)で、記事中はドンと記載します。
2024年10月現在のレートは1ドンが0.00598301円ほどですので、17.000ドン(ベトナムでは桁区切りがピリオドで小数点がカンマです)なら日本での100円強の感覚ですね。
桁が多いため千単位で切り捨てて語られる場面がほとんど(10.000ドンであれば10という具合)なので、その6倍弱として日本円換算するのも併用すると早いです。

電源は220V(50Hz)でコンセントはAタイプ・Cタイプ、またはそれらのマルチタイプが一般的です。

2024年10月15日 Day.105

今日はひたすら、ひたすらに移動です。

Hà Nội/Hanoi(以下「ハノイ」)行きのバスは宿でお願いするよりも安い上に指定場所でのピックアップが可能ということでしたので、私たちは先日のArthur travelさんで手配をお願いしました。950,000キープ(約6,454円)/人でした。

ヴァンヴィエンからハノイへ移動

指定の8:30より10分ほど過ぎた頃、ピックアップが到着してバス乗り場ーというかバスを停めてある空き地ーに集合、他のピックアップ組もポツリポツリと集まり始めます。

寝台バスではなく普通のバスなので、おそらくどこかで乗り換えになるのでしょう。

ヴィエンチャンまでのバス

そして指定の9:00を40分ほど過ぎた頃、最後の乗客が乗り込んで出発。これまでの凸凹道から一変して綺麗めな高速道路をスイスイと走り、2時間ほどで何もない首都と名高いラオスのວຽງຈັນ/Vientiane(以下「ヴィエンチャン」)へと到着しました。

そしてバスのおっちゃんに「着いてこい」と言われるがままに近くのホテルのロビーに誘導され「ここで待て」と置き去りにされます。

ホテル側のお姉ちゃんに聞くと「ハノイ行きは16:00出発だからゆっくりしてて」と。今まだ11時40分だってのにサラッと言ってくれるなぁ…ゆっくりったって4時間やぞ…。

このホテルでのプライスリストを見る限り、宿からバス乗り場へのトランスポート、ヴァンヴィエンからヴィエンチャン、ヴィエンチャンからハノイ、これらのジョイントチケットだったようですね。

ヴィエンチャンからハノイなら750,000キープ

ヴィエンチャンはただでさえ何もない上に前に一度来てしまっており(旅行記放置の余罪をほのめかし始める…)、今回はルートから外していましたが来てしまった以上は仕方がありません。

街並みは時が経ったなり程度の変化ではありましたが、前回と比べると明らかに中国の属国化とも受け取れるほどに簡体字で溢れ返っていました。

ヴィエンチャンなら4時間もあれば大体の見どころは十分に抑さえられる気がするので、行ったことがない方はこのようなバスの接続時間を利用するくらいがちょうどよいかもしれませんね。

何とか暇を潰して16:00、ミニバンでビエンチャン南バスターミナルへと送り届けられてベトナム式寝台バスとご対面です。

南バスターミナル

座席はどこかと誘導されるがままについていくと最後尾中列の上下を指定されました。横を見ると右側はトイレになっていてトイレ付きという安心感と同時に、トイレの真横という明らかなハズレ席にテンションが下がります。

ブースはベトナム人規格で小ぶりなので標準的な日本人ならば足元が窮屈くらいで済むと思いますが、欧米人には厳しくあちこちから「W.T.F.」的な声が漏れています。アジア諸国と比べて通貨も強く身入りも良さそうな皆様はケチらずに札束でビンタして快適を買ってくださいな(笑)

ベトナム式寝台バス
サイファイ的なブース

出発まではまたも時間があったので、暇潰しと空腹を紛らわす意味も兼ねてターミナル内の食堂でビアラオの大瓶をいただきましたが、場所柄の割には25,000キープ(約170円)/本と高くなくありがたかったです。

指定の18:00より15分ほど早くにクラクションを激しく鳴らして散り散りの乗客を呼び寄せると、バスは荒っぽくエンジンを吹かしながらプラットホームを離れ、いよいよ700km超の長距離ドライブです。

21:30、4時間近く走ってトイレ兼食事休憩です。

ここは長距離バス提携レストランのようでバスのチケットを提示すると決められたメニューの提供を受けられます。

提携レストランで休憩

さまざまなバスの乗客がお盆を手にズラリと並び、死んだ顔で進みながらお盆にベチャッと盛ってもらう様は収容所か何かの配給のそれですが、思いがけないタダ飯はラッキーであり美味しくいただきました。

2024年10月16日 Day.106

トイレのドアの建て付けが悪くて、きっちり閉めないと車体が揺れる度にドアが開いてバタンバタンと私のブースというか足に当たります。

誰かがトイレに行っては半開きのまま放置し、続いてのコーナーで開いたドアが当たって起こされた私がキレながら閉めるという攻防を延々と繰り返しましたが、日本国外ではドアや引き出しは開けたらきっちり閉めろと幼少期に教わらないんですか!?

やがて外の景色やスマホいじりに飽きて寝静まった乗客を乗せ、バスは東へ東へと走り続けます。

ラオス・ベトナム国境

0:50、バスが停まった気配に目を覚まして場所を確認すると霧の山中。ラオス側のナムパオ国境検問所に到着していました。朝の開門までここで待機となるようです。

朝になって見てみるとバスが列をなしていて、我々のバスが一番乗りだったようです。

ナムパオ国境検問所
開門を待つバスの行列

7:00、国境検問所のゲートが開き、乗客は必要な手荷物だけを手にバスを降りてラオス側の出国手続きを行います。

VIPバスではその辺はスタッフが代行するらしく、賄賂らしき小額紙幣を挟んだパスポートの束が横から投げ込まれる度に優先されてしまいますが、この日はVIPバスの数が少なく10分もかからず出国スタンプをもらうことができました。

出国手続きが完了したらそのままベトナム側へ600mほど歩くとカウチェオ国境検問所です。

写真の右側に写る黄色いバスの左側が入出国手続きで右側が荷物のX線検査ブースになっていました。

カウチェオ国境検問所

乗ってきたバスがここに到着したら荷物が下されますので、自身の荷物を全部持って右側でX線検査(と言っても記録だけ撮っておきますね的な感じで何も見ちゃいないヤツ)を受けて、終わった荷物はまた同じバスに載せ戻します。

あとは外でバスを待て的な誘導にそのまま外に出てしまいそうになりましたが、ベトナム入国手続きがまだでしたので場所を聞いて建物に戻りました。

実は最初にも入ってみたのですが、ベトナム入国側のカウンターは依然として無人で真っ暗です。ただ、今回は奥のベトナム出国側のカウンターからお呼びがかかりました。

ベトナム入管
ベトナム入管
ラオスからベトナムだな?
2ドル払え。
まざき屋トラベル
まざき屋トラベル
何の2ドル?
それ以前にラオスから来た日本人がラオスキープやベトナムドンならともかくUSドルなんか持っている訳がないよ(持ってるけど)。
ベトナム入管
ベトナム入管
これはスタンプ代であり入国したければすべてのツーリストがUSドルで支払う必要がある。
まざき屋トラベル
まざき屋トラベル
どの国でもスタンプ代なんて聞いたことがないし(聞き飽きてるけど)USドルは持っていないよ(持ってるけど)。

流れに身を任せていると、あっちに並び直させられて同じこと、こっちに並び直させられて同じこと、支払うまで何度でも並び直させる地味な嫌がらせを繰り返し始めました。

早くしないとバスに置いて行かれちゃう!?と支払うのを待つ作戦なのでしょうけど、あいにくこの時は空いており、各列に1〜2人しか並んでいないもので割とノーダメージです。

付き合うのも面倒臭くなって来たので「NO PHONE」の掲示を無視して電話アプリのキーパッド画面に在ベトナム日本国大使館の電話番号を入力して、相手の胸元の名札らしき物を摘みしげしげと眺めながら「OK、ミスター…(読めなかった)…とにかく日本の大使館と話してみてよ?(営業時間外だから誰も出ないけどね)」と発信直前の状態で押し付けてやったところ、渋々ながらスタンプを押してくれました。

大抵の出入国審査の設備でカメラや電話を禁じているのは、本来は密入国の参考にされることを防ぐ意味ですが、それが同時に職員のやりたい放題の環境をも整えてしまうんですよね。

当然ながら「たかが2ドルくらい払えばいい」という考え方もあるかと思いますし、実際にそうする旅行者も多いです。それも理解できますが国の玄関口が嘘つきというのを許して良いのか、果ては賄賂を払えばフリーパスとなりかねないリスクを増長して良いのかという観点で、私たち個人的には許容しかねる立場を取るものとなります。

…と言うことで、ラオスの皆さん、世界中の皆さん、何よりもベトナムの皆さん、Google Mapsのレビューにも再三に渡って書かれている通り、ここの入国管理官の一部か全部に責務と権力とを履き違えた勘違いクソ野郎が居ますので、そのつもりで臨みましょう。

9:00過ぎ、VIPバスばかりが通り行き、先頭だったはずの私たちのバスがなかなか出てきませんでしたが、ようやく乗り込んで残り380kmの道程です。

11:50、4時間近く走ってトイレ兼食事休憩です。

ここでの食事は無料ではないようでしたし、パッと見あまり食べたい感じの物がなかったのでトイレだけ借りました。

まちかどレストランで休憩

ハノイ

17:00過ぎ、ハノイのBến Xe Nước Ngầm/Nuoc Ngam Bus Station(以下「ヌォックガムバスステーション」)に到着しました。

出発から起算すると32時間半でしたが、地味に一番キツかったのは乗車中でもなんでもなく、ヴィエンチャンでの4時間強の強制暇潰しだったかも知れません(笑)

ヌォックガムバスターミナル

さて、ホテルまで移動したい所ですが、ベトナムのお金もSIMもないので手段も距離感もまったく分かりません。

タクシー運転手
タクシー運転手
ホテルだろ?
タクシー乗んなよ。
まざき屋トラベル
まざき屋トラベル
Grabかなんか使うからタクシーは要らないよ。
それよりこの辺にATMとかある?
タクシー運転手
タクシー運転手
ATMも遠いぞ…ホテルどこら辺?
Grabだと…ほら、こんな感じだね。
途中でATMも寄ってGrabと同じ金額でいいよ。
まざき屋トラベル
まざき屋トラベル
(意外と高いな…遠いのかも?)ま、Grabと一緒ならいいか…。

この時、目の前で実演して見せてきた実際のドライバーのスマホの写真がこちら。指定の住所までのルートが検索され434.000ドン(約2,597円)/台と表示されていました。

ドライバーのアプリ画面

結果的に、これ、完全にヤられてました。

後でSIMを確保した後に実際の自身のGrabで見ると200.000ドン(約1,197円)程度、半額でしたので、偽アプリないしはドライバーモードか何かで好きな金額を設定できるようになっていたのだと思います。インターネットを確保して自身のアプリ画面だけを信じて交渉するようにしましょう!

国境で2ドルを死守したのに、直後にスルリと1,000円以上持って行かれるベトナム、恐るべし…。

乗らないつもりでATMの所在を聞いたのに、最終的に乗ってしまったのも問題でした。ATMに寄るということはカード類や引き出したキャッシュを持っていることを知られている訳で、場合によってはタクシードライバーが強盗に豹変する可能性もあったので、最悪のケースには至らなくて良かったと思っておきましょう。

宿はホアンキエム湖や旧市街とも近いHanu’s House。レセプションはベーカリーの奥で入り口は店を通り抜けた先の階段という隠しダンジョン仕様です。304.000ドン(約1,819円)/泊でした。

奥で大型の犬を3匹ほど飼っていて、パンを作っている横を宿泊者も行き来するというのは日本だったら保健所が黙っていなさそうですが、常連さんによるとパンもコーヒーもとても評判なようです。

ただ、ベーカリーが閉まると基本的には出入りができなくなるので門限には注意が必要です。

ここのフレンドリーな店員さんの一人が『NARUTO —ナルト—』を筆頭としたアニメファンのようで、幼少期に見た『十二戦支 爆烈エトレンジャー』が日本のアニメとの出会いだったと、その魅力を熱く語ってくれましたが、ごめんなさい未履修です…。

そんな彼に近所のローカルっぽいビア・ホイ1とかオススメはないか聞いてみて、ここらではここが一番だと教えてもらったのがこちら。ここの交差点を隔てた斜向かいとお好みでとのこと。

なるほど、観光客の姿はほとんどなく地元のおじさん達で大いに賑わっていてアタリの予感がします。おじさんの集う店は安くて美味いか、最悪でも安いだけは安いことが多いので、経験上、大ハズレということは少ないのです。

歩道にせり出した席に空きを見つけて飲み始めると、たまたまお隣で飲んでいたインド系マレー人の通称J.J.さんとその娘婿のお二方から声をかけられて一緒に飲むことになりました。

J.J.とビア・ホイにて

私たちの頼んだチャーハンに対ししきりに「お米はミス・チョイスだ、値段も高いしお腹にたまるからビールがたらふく飲めないじゃないか」と笑い、ここのお店では揚げ豆腐と空芯菜炒めがベスト・チョイスなんだと注文してシェアしてくれました。

ビールが14.000ドン(約84円)、揚げ豆腐が65.000ドン(約389円)、空芯菜炒めが70.000ドン(約419円)に対し、チャーハンは130.000ドン(約778円)です。

実際これが最高で、以降はビア・ホイでは座りしなに「まずはビール、あと揚げ豆腐と空芯菜炒め」が私たちの中でのコンボメニューになりました。

J.J.さんらは今回は親族ら一同のアテンドでベトナム旅行に来ていて、女性陣の無限ショッピングに辟易して逃げ出して飲んでいたとのこと。こういうのは世界共通みたいですね(笑)

そして、明日はNinh Bình/Ninh Binh(以下「ニンビン」)観光に行くためにリムジンバスをチャーターしてあるけどバスに座席の余裕があって、料金は1台いくらで何人でも変わらないから、もし時間と興味があれば便乗するかと誘ってくれました。

来られなくてもノー・プロブレムだし、もし行く気になったら朝8時にここのホテル前においでとJ.J.さん御一行の宿泊するホテルのビジネスカードを置くと「次はマッサージだ」と去って行きました。

2024年10月17日 Day.107

さすがにお酒の席でのお話しなので忘れているか冗談半分だったとは思いつつ、一応は集合場所に行くだけは行ってみたところ、確かにリムジンバスが停まっていてホテルからJ.J.さん御一行が出てくるところでした。

遠巻きに様子を伺っていた私たちを見つけると、J.J.さんは親族らに「彼と彼女は俺のフレンドで今日は一緒に行くからな」と私たちを紹介。

ザワつきもせず「そうかそうか」な流れを不思議に思いましたが、後に親族の方々に聞くと初耳だったけどJ.J.と居るとよくあることなのだそう。

ニンビン

ニンビンは陸のハロン湾とも例えられる有名な観光地ですが、ハノイから南へ100kmほど離れた場所になります。今回の旅ではルートには含み入れていなかったので、ありがたい機会をいただきました。

途中、小さな村の細い路地を迷い迷い進み戻ったと思ったら、そこには花畑のような景色が。ここQuảng Phú Cầu/Quang Phu Cau(以下「クアンフーカウ」)は、テト(旧正月)に使用する線香作りで有名な村なのだそう。

線香村らしい映えスポット

写真を撮るだけ撮って満足したら再びバスに揺られ、お昼頃にTràng An/Trang An(以下「チャンアン」)へと到着しました。

J.J.さん御一行と相談の結果、あまり長いと暑いし飽きそうということで一番短い2時間ほどのボートツアーのチケットをそれぞれで購入。250.000ドン(約1,496円)/人でした。

ボートは4人乗りでJ.J.さん御一行の12名は3艘に分乗して出発。続いて私たちもと思ったら係員に「お前らはあと2名集まるまで待て」と足止めされるもコースや人数が合うお客さんが来ず、20分ほど待って2名だけで出発してもらえました。

一番短いコースとは言えバッサリ割愛されている訳ではなく、洞窟を通ったり寺院に寄ったりという要所は押さえているように感じました。よほどすべてを見尽くしたいという気持ちが強くないならば最短コースで十分かと思います。

ボートツアー
川岸の寺院
水中の寺院
景観はハロン湾そっくり

ハノイに到着して皆さんに感謝を伝え別れを告げたのが17:00過ぎ。ちょっと便乗どころか丸一日観光になりました。

宿で休憩してから例のビア・ホイに行くと、J.J.さんとその娘婿のお二方が飲んでいたので合流。早速、昨日の教えの通りにビールと揚げ豆腐と空芯菜炒めを注文すると「チャーハンは頼まないのか?」と大笑いして乾杯。

今日のお礼から始まり、これまで旅した先の話や自国での暮らしなどの話を肴にグラスを重ね、J.J.は「今日もマッサージだ」と先に帰り、さらに2杯ほど飲んで娘婿さんも帰って行きました。

そして私たちも帰ろうかと会計をお願いすると「彼らが払って行ったよ」と。スマートに平然とやってのけるッ。そこにシビれる!あこがれるゥ!

明日にでも会った時に意地でも奢らせていただきます!!

2024年10月20日 Day.110

しかし、その後も例のビア・ホイに通いましたが、J.J.さんたちと会うことはできませんでした。今回の旅行が終わって日本へ帰り、生活基盤が再び安定したならば、旅行者に寿司は無理でもジンギスカンかラーメンくらいはご馳走して、ゴチの輪を繋ごうと心に決めたのでした。

トレインストリート

昼間はホアンキエム湖を散歩してフォーだのバインミーだのをつまみ、夜になったらビア・ホイへというチルいループにハマりましたが、さすがにひとつくらいは観光しようかとトレインストリートへ出かけてみることに。

説明不要の有名観光スポットで、鉄道の線路脇ギリギリに建物が立ち並んでいたのをカフェとして改装しており、ギリギリを通過する列車を直に体感できるスリル溢れる場所です。

トレインストリート

列車の通過までは少し時間があったので、ビール小瓶が50.000ドン(約300円)/本とやりすぎ価格でしたが注文してカフェの席をキープしました。

やがて列車の時間が迫ると、注文して席の割当たっているお客さん以外は鉄道警察と各カフェの店員らによって踏切の外へと追い出されていたので、せっかく見に来たならば注文して席を確保した方が良いです。

似た所ではタイのメークローン鉄道市場の方が距離感は近そうですが、こちらは若干の余裕があるのを良いことに通過速度が早めで、迫力という点ではこちらが上なのではないでしょうか。

列車が迫り
通過して行く

そして宿へと帰る道すがら、横断歩道の向こうに見覚えのある顔が。以前『#12 ルアンパバーンまでメコンを下れ、1泊2日スローボートの旅』で会ったフランス人親子です。彼らもベトナムに渡って来ていたんですね。

先人たちの旅行記なんかでも街や国を跨いで再会するエピソードを見かけますが、本当にあるものなんですね。

2024年10月21日 Day.111

私たち道民にとってベトナムといえば雑貨でもフォーでもなく『水曜どうでしょう』でお馴染みのハノイからホーチミンまでのバイク縦断旅です。

しかし、日本の国外運転免許証は無効、『#9 旅の準備②、パタヤで日本の免許証を切り替え』で取得したタイの免許証もテンポラリーに限っては無効、ベトナムの免許証への切り替え発行はビザが困難。免許証が不要な原付は入手が困難。

計画は完全に頓挫してしまいました。

知ってか知らずか無免で夜露死苦というのも散見されますが、検問に引っかかって高い袖の下を払わされるくらいまでは良しとしても、万が一の事故などの際にはエライことになるのが必至ですのでスッパリ諦めるとしましょう。

ハノイからハジャンへ移動

ノープランついでなので真新しい所をと選んだのがJ.J.さんがオススメしてくれたHà Giang/Ha Giang(以下「ハジャン」)です。

ハノイから北に300kmほどのベトナム最北部の雄大な原風景に富んだ地域で、日本ではほとんど見聞きしませんが、lonely planetあたりに紹介されているのか欧米人の間ではマストな行き先のようです。

9:40、多分ですが10:00とか午前中くらいには便はありそうかなとBến Xe Mỹ Đình/My Dinh Bus Station(以下「ミーディンバスステーション」)へ。

チケットカウンターでハジャン行きのチケットを購入、344.000ドン(約2,059円)/人でした。

ミーディンバスステーション

もうすぐ発車とのことで乗り場へ急ぎ乗車。座席式ではなくベトナム式寝台バスでした。またも最後尾のトイレ脇の席を案内されかけましたが、チケットにも座席番号などはないので、シンプルに断って多くを語らず好き勝手に空席に陣取りました。

欧米人は良し悪しをハッキリと英語のゴリ押しで主張してきて手に負えないから、ワンチャン黙って従いそうなアジア人を優先的にハズレ席に詰め込みたいのでしょう。

10:10、寝台は埋まっていますがまだ通路が空いていると言わんばかりに、しぶとく客を呼び込み続けながら、バスはじわじわとフラットホームを離れて発車となりました。

12:40、ハノイを離れて長閑な景色の中を2時間半ほど走り、ちょうど半分くらいの地点で休憩停車となりました。

ドライバーがベトナム語オンリーな上に説明する気もないようで、休憩なのか、だとしたら何分なのか、まったく情報が掴めません。ひとまずトイレだけは済ませて、ドライバーのくつろぎ具合を注視しながら発車の気配を読みます。

道中の半分ほどで休憩停車

15:40、山あいの道を3時間ほど走って、Bến Xe Hà Giang/Ha Giang Bus Station(以下「ハジャンバスステーション」)へと到着しました。

市街はここから2〜3km先なのでそこまで行きたかったのですが、ここが終点でバスは折り返してハノイに帰るから通らない的なジェスチャーに諦めて降りると、バスはそのままハノイではなく市街へ向けて走って行きました。うーむ…。

ハジャンバスステーション

じんわりと効いてくる上り坂をひた歩き、到着した宿はHolly’s Hostel Ha Giang B&B、市街から少し外れた静かなエリアでハノイの喧騒とは真逆のリラックスできる環境です。300.000ドン(約1,795円)/泊でした。

朝食のオムレツ・バインミーがとても美味しく、1階の部屋にはHollyさんが滞在していて上階がゲスト用なのでゲストハウスとホームステイの中間くらいの適度な距離感が居心地良かったです。

運悪く、夜中に帰って来て玄関が閉まっていると騒いだり、自分は起きたからと朝の5時に大音量で音楽を流し始めたりといった個人主義()とやらのホワイト様()が滞在していましたが、同じく被害を受けるのもあってHollyさんがすぐに飛んで行って説教してくれていました。そういうの大事ですよね。

さて、宿に収まってホッとしたところで、この町のビア・ホイの視察に参りましょう。

ビールが13.000ドン(約78円)、おつまみがメインで料理の提供はなさそうでした。

ここで気になったのが隣の若者たちがつまんでいた、葉に巻かれた生サラミのような食べ物で、聞いてみるとNem Chua/Nem Chua(以下「ネムチュア」)というものらしい。

6.000ドン(約36円)/本(基本は5本単位だけど1本単位でも可)で、外側を包んでいる葉と中を包んでいるラップを剥がして食べてみると少しクセも強く緊張感のある味がします。

それもそのはずで豚の生挽肉に香辛料などを混ぜて常温醗酵させたものらしく、その「豚・生・常温」という強ワードに、頼んだこと、何より正体を調べてしまったことを後悔し始めます。

微妙な顔をしていると先ほどの若者が気付いて別盛りの葉を分けてくれ、この葉を巻いて食べるんだと教えてくれました。

教えられた通りにしてみるとこれが大化け。葉自体は無味無臭というくらい味も香りも感じないのですが、合わせるとネムチュアのクセがスッと消えて爽やかに、発酵食品ならではの旨みが前面に出て来ます。

以降、ここハジャンでは近所のフォーか何かで小腹を満たしてからビア・ホイでネムチュアとビールというスタイルが私たちの定番となりました。

2024年10月23日 Day.113

連日通うと最初は外国人に不慣れで無愛想に見えたビア・ホイ店主やその奥さんもにこやかに挨拶してくれるようになりました。

今日も今日とてネムチュアを片手に飲んでいると、隣に若者の団体がやってきて、そのうちの一人が「日本人ですか?こんなところで珍しいですね?」と流暢な日本語で声をかけてくれ、もし良ければ一緒に飲みませんかと誘ってくれました。

他の皆さんはベトナム語のみですので、彼を通訳として介しての会話になりますが、少し話してみても営業フラグが一切なかったので、卓に混ぜてもらうことにしました。

久しぶりに不自由なく日本語で話せる気楽さから酒も進みますが、グラスが空くと次のグラスが届き、ならばと彼らのグラスの空くタイミングでトイレに行くフリをして買いに行くも見つかって引き戻され、あなたたちはゲストだから気遣い禁止!と一杯たりとも支払わせてもらえませんでした。

ここでもゴチのカウンターがまたひとつ。日本に帰ったら必ず輪を繋がせていただきます。

2024年10月24日 Day.114

ここハジャンで絶対に外せないのが、ハジャンループと呼ばれるハジャン省を一周するツアーです。バイクでしか走れないような道がほとんどですので、自身でバイクを運転してガイドを追走するか、イージーライダー(ガイド兼ドライバーの呼称)とタンデムで巡るかになります。

旅行代理店を回って価格調査しようと思いましたが、コロナ禍を乗り越えられなかったのか閉業しているところばかりでした。

そこでHollyさんのところでお願いしたのですが、実はHollyさんはもともとは旅行業だったそうで、豊富なノウハウとコネクションを持ち合わせており、結果として大正解でした。

1泊2日から3泊4日までのコースがあり、私たちが選んだのは2泊3日の行程で4.000.000ドン(約23,933円)/人。現地エクスカージョンとしてはなかなか大きい金額ですが、宿泊と食事もコミコミなので実質的にはそう高くはないかと。

Hollyさんのところだと宿泊外の不在期間中も荷物を預かっておいてもらえますし、団体ツアーではなくプライベートツアー、ドミトリーではなく個室で組んでもらえましたのでお得感がありました。

ハジャンループ

今回の走行ルートと宿泊先はこちらの通りですが。3泊4日プランだとより東を攻める感じなのでしょうか。

8:00、今回お世話になるイージーライダー2名が宿に到着。バイクはHonda Click的な125ccか150ccクラスに二人乗りになりますので、積載スペースを考え荷物は着替えと撮影機器と充電器などデイバッグに収まる程度に絞ります。雨天時用の雨合羽はHollyさんが用意してくれました。

8:30、2泊3日の2ケツ旅に出発です。

カメラのフレームに収まりきらない雄大な原風景の中をひた走り、時の流れを忘れたような山間の村を通り、絶景の過剰摂取に受け止めきれなくなって行くほどです。

つづら折り
おっぱい山
山間の村
ベトナム・中国国境

バイクだからこそ視覚のみならず五感のすべてで感じられるというのも大きいのかも知れません。

16:30、Đồng Văn/Dong Van(以下「ドンヴァン」)の宿に到着。夜はイージーライダーのお二人とイベント広場での民族舞踊パフォーマンスを眺めたり、露店を冷やかしたり、軽くビールをいただいて1日目は終了です。

2024年10月25日 Day.115

ハジャンループ二日目です。

8:30、宿を出発。幸いにも我が尻はまだ持ち堪えています。

今日も山深い雄大な原風景の中をひた走ります。もはや語彙も尽きて「うわぁ…」とか「すっげぇ…」なんて言葉しか出なくなって行きます。

ベトナム国境がたなびく
幾重に連なる山々
こんな山奥に棚田

ちなみに、随所にビューポイントと休憩所を兼ねたコーヒー小屋や、時にはキンキンに冷えたビールさえも売っている絶景カフェ的な店もあり、ちょいちょい寄りながら進みますのでトイレの心配はありません。

団体ツアーだと席が足りなかったり、全員が満足するまで出発しなかったりというのもあるので、やはりプライベートツアーの方が断然良い良いですね。

14:30、Cốc Pàng/Coc Pang(以下「コックパン」)の宿に到着。少し休憩したら近くの滝に遊びに行くとのこと。

滝では他のツアーの欧米人グループが派手に飛び込み泳ぎまくっていました。どこの水場でもそうですが彼らは常に水着・海パンを仕込んでいるのでしょうか?

宿に戻って夕食後は、他のツアーの欧米人グループを率いていたイージーライダーを筆頭に、EDMでアゲてビール&ダンスパーティーで盛り上がっていました。

自然溢れる秘境に来てまでやることか?とは思いましたが、お酒を飲んで騒ぐというのは手っ取り早く楽しいですから、国も文化もバラバラな旅行者をひとまとめで扱うには効率が良いのかもしれませんね(笑)

2024年10月26日 Day.116

ハジャンループ最終日、今日は距離も短いのでゆっくり目に出発するとのこと。

ちょうど週に一度の大きなマーケットが開催されているから散歩でもしてきたらと促され、メインロード(メインというかオンリーワンなのですが)を散策してみます。

露店も多く出ており、特徴的な色とりどりの服を纏った少数民族の方々も買い出しに勤しんでいました。

人で賑わうメインロード
買い出しに勤しむ人々

日用品に混じってスマホケースとか保護フィルムの露店まであり、つくづく時代を感じさせられました。

10:00、宿を出発。さすがに尻が痛くなってきましたが最終日も楽しんで行きましょう。

三日間も圧倒的な刺激の渦中にいると、人には絶景疲れと言う状態異常ステータスが存在することに気付かされます。リアクションと言う雑念を忘れ、無意識が景色と対話する感覚。傍目には単に「ボーッとしてる」なのかも知れませんが、本人の中ではちょっとだけ違います。

ちゃんと生活があります
日本昔ばなしで見る村みたい
山肌を縫って走る

雄大な山岳地帯に少数民族が独自の伝統を守りながら暮らす原風景が色濃く残るベトナム最後の秘境ハジャン。観光化の波が押し寄せて何かが変わってしまうその前に、1日も早く実際にその目で見て欲しいと思った景色でした。

16:30、Hollyさんの宿に帰着。帰着後の宿泊は少し安い方のお部屋をお願いしていましたが、どうせ空いているしあなた達は汚さないからと以前の部屋に安く泊まらせてくださいました。大感謝!!

そして今日もビア・ホイへと出かけて行く私たちなのでした。


  1. ハノイを中心にベトナム各地で販売されるアルコール度数が低めで軽やかなガブ飲み用の生ビールの一種で、その販売店ではおつまみや軽食などの料理も注文が可能。総じて大衆居酒屋的な意味合いを持つ。 ↩︎