古都ルアンパバーンに続き、かつての東南アジア最後の楽園でバックパッカーの聖地、近年はネイチャーリゾートとして人気のヴァンヴィエンへと向かいます。

記載内容は2024年10月時点のものです。ご旅行の際は最新の情報も合わせてご確認ください。

目次

【ラオス人民民主共和国(ສາທາລະນະລັດ ປະຊາທິປະໄຕ ປະຊາຊົນລາວ/Lao People’s Democratic Republic)】

公用語はラーオ語で、タイ語と似ておりタイ語の通用度も高いです。

通貨はキープ(₭と表記)で、記事中はキープと記載します。
2024年10月現在のレートは1キープが0.00679293円ほどですので、15,000キープなら日本での100円強の感覚ですね。
桁が多いため千単位で切り捨てて語られる場面がほとんど(10,000キープであれば10という具合)なので、その7倍弱として日本円換算するのも併用すると早いです。

電源は220V(50Hz)でコンセントはAタイプ・Cタイプ、またはそれらのマルチタイプが一般的です。

2024年10月7日 Day.97

早朝の托鉢の見学に向かう道端で蠢く生きた蠍を発見。タイのカオサン通りで串焼きで売られているサイズ感の立派な個体です。生息域であることは頭の片隅にありつつも意識していませんでしたが、サンダル生活なので草むらなどに安易に足を踏み入れない方が良さそうですね。

蠍

托鉢見学はここら辺がメジャーですが、中国人観光客が団体で陣取って大騒ぎの撮影会場と化してしまっているので雰囲気も何もあったものではありません。

托鉢体験に群がる中国人観光客

もう1本北寄りの通りであれば団体客も居なくて地元感の中で落ち着いて見学できます。

托鉢の僧たち
托鉢の様子

ただ、無宗教な部外者の勝手な言い分ではありますが、どうしても今や形骸化しきってしまったセレモニー感が否めなく、托鉢そのものとして見るならばフアイサーイで偶然に見かけたものの方が布施を受けた際に偈文を唱えたりと本格的で厳かに感じました。

ルアンパバーンからヴァンヴィエンへ移動

今日はかつてのヒッピーの集う秘境、今や東南アジアの冒険心くすぐる自然の楽園であるヴァンヴィエンへと移動します。

ラオス中国鉄道の駅は新幹線などの『新○○駅』レベルの場所にあって面倒なので、宿で駅までのトランスポート込みで手配してもらって220,000キープ(約1,495円)/人、電子チケットをWhatsAppで送ってもらいました。

駅舎に入るには係員によるチケットおよびパスポートのチェックと荷物のX線検査がありますが、係員の不遜すぎる態度と中国語でゴリ押してくる感じは中国の空港なんかのそれにそっくりです(笑)

ルアンパバーン駅

改札は20分前オープンで検札を受けプラットホームへ。チケットは到着駅から出る際にも使いますので絶対に捨てたり無くしたりしないよう注意しましょう。

17:26、ディレイ表示が点いていましたが定刻で発車しました。

プラットホームに列車が入線

チケットに硬座とあったのでプラ椅子か何かかと思いきや普通にクッション性のあるシートで座り心地は普通でした。乗り心地の方は左右のブレなんかは少なくて良いのですが、仕様か運転の荒さか両方か減速が荒くて毎回つんのめりながら後ろからゴンゴンゴンと客車が玉突きする感覚を味わうのは落ち着きませんでした。

それでもバスだと5〜6時間のところを100円200円増し程度で1時間に短縮できるので、駅が不便だったりなど難点はありつつも鉄道はオススメできる気がします。

18:40、ヴァンヴィエン駅へと到着。出口専用の通路からチケットのQRコードをかざして駅舎の外へと直接出る感じになります。

駅から出ると乗り合いバンが待機していて宿泊ホテルのエリアによって乗車するバンを振り分けられます。宿まで行けるのはありがたいですね。料金は40,000キープ(約272円)/人でした。

宿はVang Vieng Lily Guesthouseで200,000キープ(約1,359円)/泊でした。

しかし到着した先はVang Vieng Lily Backpackers Hostelという名前のよく似た宿。予約サイト上の掲載ページも別々で宿泊料金も微妙に違って、到着地をミスられたかと思いましたが一緒であるとのこと。

なんとも謎は残りますが、中心部からは絶妙にローカルサイド寄りの立地で、静かでありつつも中心部に徒歩で遊びにも行ける距離感で便利な宿でした。

2024年10月9日 Day.99

ここヴァンヴィエンは小さな町で公共交通機関もありませんのでレンタルバイクを借りて少し遠出してみます。町を出ると田舎なので何かあった時に電話でサポートを受けられないと厳しそうなので、割高ですが少なくとも英語が通じる安心感から宿経由で手配してもらいました。

割とくたびれた感じのHONDA Click 125が半日(8:00〜19:00)の利用で150,000キープ(約1,019円)/台、ガソリンはほぼ空スタートでの同量返し、デポジットはパスポートでした。

宿から一番近いガソリンスタンドに寄って50,000キープ(約340円)分、2リットル少々を給油していざ出発です。

ブルーラグーン4

ヴァンヴィエンにはブルーラグーンと呼ばれる美しい泉が6つ点在していますが、そのうちのNo.1からNo.3は現地ツアーに組み込まれることが多く混雑しがちということなので、ほどよい距離で町からは13号線を北上するだけと分かりやすいNo.4へと向かいました。

山々に囲まれたヴァンヴィエンの風景や道端を闊歩する牛など目にも楽しい道中ではあるのですが、急に砂利道になったり舗装区間でも穴だらけという国道らしからぬ整備状況なので走行難度は高く、対向車が穴を避けてこちらの車線を正面から突っ込んできたりもしますので、日常的にバイクに乗っていて慣れている方じゃないと危ないかもしれません。

13号線を左に折れて川を渡る橋の通行料が10,000キープ(約68円)/台、ブルーラグーンの入場料は10,000キープ(約68円)/人でした。

ミルキーなターコイズブルーで浅瀬には魚の群れも見えます。訪れる観光客がさほど多くないためかお店こそありませんがトイレはあって、遊具もターザンロープ、ジップライン、イカダ、飛び込み台、浮き輪と充実しています。

ブルーラグーン4

午前中ということもあってか先客は欧米人カップルが2組のみで空いており、お互いに気兼ねなく飛び込み放題、泳ぎ放題、浮かびたゆたい放題です。こんなにも延々と水と戯れるのは小学生以来かも知れません。

昼過ぎくらいになると近所の中高生くらいの男女5名グループが遊びに来てアオハルしていたのが微笑ましかったです。

タムナム洞窟でケイヴチュービング

続いて向かったのはブルーラグーン4のすぐ近くのタムナム洞窟です。

ここでできるのがなかなかにレアなケイヴチュービング、水の流れる真っ暗な洞窟をヘッドランプの灯りとガイドロープを頼りに浮き輪に乗って進んで行くアクティビティーで20,000キープ(約136円)/人でした。もちろんヘッドランプ、ライフベスト、チューブのレンタル料金が含まれています。

ロープ伝いに進んで行ってロープの終端に達したら折り返して戻るコースですので自分勝手に脇道に逸れたりしない限りは迷うことはありませんが、思った以上に狭くて暗いガチめの洞窟を進むのは緊張感もあり閉所や暗所が苦手な方だと奥に進むのを躊躇われるかも知れません。

タムナム洞窟の狭い入り口
入ると外の光が綺麗
奥は完全に真っ暗闇

なお、洞窟につきもののコウモリや虫なんかはいなかったのでそっちの心配は不要かと思います。

2024年10月11日 Day.101

ヴァンヴィエンと言えばチュービング、チューブでぷかぷかとナムソン川をひたすら流され下るだけというユルいアクティビティーです。散歩しながら何件か見て回っていて、スタッフさんがフレンドリーでとても感じ良く対応してくれたこちらで申し込み、120,000キープ(約816円)/人でした。

ナムソン川でチュービング

13:00頃に宿にロット・ドイサーンがやって来て乗車、その後もいくつかホテルを回って他のお客さんを拾って行きます。私たち以外は全員が欧米の個人旅行者たちでした。

13:30頃にナムソン川の上流のスタート地点に到着し、軽く説明を受けてチューブと希望者にはライフベストも受け取ったらスタート。着替えたり荷物を預けたりもできませんので川に入れる状態で臨みましょう。ちなみにゴールはヴァンヴィエンの中心街あたりになります。

途中に数箇所あるバーに寄ることも可能で、寄りたい場合は川岸でスタンバっている人に意思表示をするとドンピシャで手元にロープを投げ込んでくれ、そのロープに掴まると川岸まで引き揚げてもらえます。欧米ズのみなさんは川に入って2分の最初のバーに全員が吸い込まれて行きました。

私たちはもう少し先の混雑していないバーを通りかかったら寄ることにしてスルー。お酒はこのアクティビティーを盛り上げる上で欠かせないアイテムですが、せっかく濡れたのに2分で上陸はさすがに早いな、と(笑)

その後、営業していなかったり川の反対側だったりと寄れないバーが数軒ほど続き、ようやく寄れたバーは自宅の庭先そのものの家庭的な店で、クーラーボックスの冷やしビアラオ大瓶が60,000キープ(約408円)と完全にツーリストプライスでしたが、先客もゼロで貸し切りなので長居させてもらいました。

30分ほど経って後続のひと組が到着して、そういえば皆はと聞くとまだ最初のバーで酒盛りが続いていてキリがないから抜けてきたとのこと。

さらに30分ほどでゴキゲンの欧米ズが集団で流れ着いて来たので、それでは我々は席を空けますかということで川下りを再開します。出際にビアラオの330ml缶を購入、40,000キープ(約272円)と割高でしたが、飲みながらの川下りがこれまた最高!

流れは緩やか
ぷかぷか流れる
ビールがあると最高

そのまま流れ続けて16:10頃にゴール地点に到達します。引き揚げポイントは川の東側でしたが私たちは川の西側を流されてしまっており、慌てて手で漕ぐも思うように進まず、通り過ぎて延々と流され続けるのではないかとヒヤヒヤしました。

ゴール地点にもバーがあり、水着を乾かしがてらビアラオ大瓶をいただきます。値段は少し下がり50,000キープ(約340円)でした。

30分ほどで続々と欧米ズの皆さんが到着すると、大音量で若干クラシカルなダンスナンバーが流れ始めて店はクラブと化し夜は更けて行くのでした。こちらもまたキリがないので程よきところで離脱しましたが(笑)

正直なところ地味そうであまり期待していなかったのですが、初期のドラゴンボール感のある山々の景色の中をビールを片手に延々と流されて行くのはとても心地良く、またヴァンヴィエンに来ることがあれば次回もリピートしたいアクティビティーでした。

純粋に流されている時間は雨季で水流があって1〜2時間ほどでしたが、乾季は水流が弱くて3〜4時間ほどになることもあるそうなので、日差し対策はしておいた方が良いかも知れません。

2024年10月13日 Day.103

ウォーターアクティビティーが続きましたが、ヴァンヴィエンでは山の景観も魅力のひとつですので、再び宿でバイクを借りて行ってみます。

ナムサイ・ビューポイント

ヴァンヴィエンの山々にはいくつかのビューポイントが設置されていますが、おそらくもっとも有名なのが町から西へ8kmほどのナムサイ・ビューポイントだと思います。

Instagramなんかで山の上でラオス国旗を片手にバイクに跨った写真が流れてきたことがある方も少なくないと思いますが、それらは頂上に撮影用のバイクが設置されているここナムサイ・ビューポイントで撮られた写真です。

有名なだけあってか入山料は20,000キープ(約136円)/人とちょっと強気の設定です。

登山口から頂上までの標高差はたかだか180m程度ながら斜度がキツく岩がちでハードめ。運動好きでもないデスクワークおじさんのタイムで片道30分でした。

滝汗でボロボロになりますので景観よりも映え写真の撮影が目的の方はペースを調整して登りましょう。

ナムサイ・ビューポイント

それにしてもヴァンヴィエンは自然相手の素朴なアクティビティーに富んでいます。久しく忘れていた野山を駆け回った小さなあの日の夏休みを思い出したところで次の国へと向かうのでした。