2012年元日、世界遺産『アンコール・ワット』に昇る初日の出を拝む。

旅のハイライトたるミッションから、めぼしいアンコール遺跡群を観光して回る、はじめてのシェムリアップのモデルケース的な観光デーな一日です。

記載内容は2012年1月時点のものです。ご旅行の際には最新の情報も合わせてご確認下さい。

目次

【カンボジア王国(ព្រះរាជាណាចក្រកម្ពុជា/Kingdom of Cambodia)】

通貨はリエル(៛と表記)で、記事中はリエルと記載します。 2012年1月現在のレートは1リエルは0.02円弱ですので、日本円へは『50分の1(ゼロを2つ取って2を掛ける)』くらいの換算で、5,000リエルなら100円ほどですね。

※USドルが広く流通しており、同2011年12月現在のレートは1ドルは78.1円弱ですが、1ドルは大抵は4,000リエル固定換算とされ、例えば5,801リエル分の品に対して2ドルを支払った場合、お釣りとして2,100リエルと小額紙幣代わりの飴(笑)が返って来ます。

2012年1月1日

アンコール遺跡群小回りコース

アンコール遺跡群は広範囲に渡って多数の遺跡があり、ツアーは大きく2タイプの観光コースに分かれています。

アンコール三大遺跡とも言える『アンコール・ワット』『アンコール・トム』『タ・プローム』を含む中心部を回る小回りコースと、『ロリュオス遺跡群』『ベンメリア』『バンテアイ・スレイ』など少し離れた位置にある遺跡群を回る大回りコースに分かれていて、どちらかを選ぶというよりは、小回りコースを基本として追加で大回りコースをおかわりするという構成になっています。

私達の場合は、日本から小回りコースのトゥクトゥク半日チャーターを予約しておきました。

ドライバーはさほど遅れることもなく5時過ぎにピックアップに来て、まずはチケットセンターでアンコール遺跡入場券を購入。

絶望的に小雨がパラついていますが、最悪は雨の遺跡も幻想的だし…と鼓舞しつつ、まずはアンコール・ワットへと向かいます。

アンコール・ワットの夜明け アンコール・ワットの夜明け

かろうじて雨こそ上がったものの、雲が厚くて日の出には期待薄ですが、少しでも太陽が顔を出さないかとしばらく粘ります。

ご来光を待ち望む人々 ご来光を待ち望む人々

これだけの人々の願いも虚しく、太陽は雲の向こうに隠れたまま、ぼんやりと朝を迎えゲームオーバー。

この後、これだけの人数が遺跡観光にシフトするとなると相当の混雑が予想されましたが、ほとんどの人は朝日鑑賞後はホテルで朝食を摂って再び戻ってくるプランのようで、ご来光を逃した後は割と空いていて回りやすかったです。

目当ての遺跡は早めの時間のうちに回れるよう、見学時間を調整すると良いのではないでしょうか。

アンコール・ワット アンコール・ワット

アンコール・ワットはどこかしら修復中なことが多いようですが、今回は運悪く修復中のネットの主張が強めです。

確かに圧倒的な規模で大迫力ですが、テレビで見過ぎてしまった弊害か「おぉっ、テレビで見た通り。」という、答え合わせみたいな感想になってしまいました。

アンコール・トムのバイヨン寺院『クメールの微笑』 アンコール・トムのバイヨン寺院『クメールの微笑』

一方、アンコール・トムは綺麗過ぎない雰囲気がとても良く、どちらかと言うと遺跡はほどよい崩れ感が好みです。

後から気付きいたのですが「こいつら飽きもせず見過ぎ!」と警戒されたのか、映画『トゥームレイダー』で印象的なタ・プロームはスキップされていました。

遺跡観光を終えて宿に戻ると、宿泊者なのでしょう、白髪のご高齢の男性がテラスのテーブルで食事していました。

私たちも同じ物を注文して遺跡の感想など話していると、

おじいさん「ご観光ですか? 暑かったでしょう。」

日本の方で、聞けば引退後は毎年冬場になるとシェムリアップで過ごされているらしく、ここ数年はここが定宿なのだとか。

妻と娘はカンボジアにはいまいちハマらなかったので、そちらはそちらで国内旅行など好きにさせてやり、自分は独り気ままに通い続けていて、それがお互い気を遣わず気楽で良いのだ、と。

いろいろな考え方やカタチがあると思いますが、離れ離れでも孤立ではなく自立という感じで、年中居合わせる引退後ともなると、こういうのもまた良い関係なのではないでしょうか。

以降の予定について聞かれ、ベンメリアだけは見に行きたいものの、大回りコースとまでなるとお金も時間も無駄が多いので考え中である旨をお話すると、ベンメリア往復だけくらいが良いのでは…と、宿のお姉さんにかけあってくれました。

結果、10ドル(約781円)で手配可能、ついでに自分もしばらく行っていないので、お互い5ドル(約391円)ずつとして相乗りさせてくれないかと。

こちらは2名ですので、人数割りにしてもこちらが最低でも6〜7ドル(約469〜547円)は負担すべきなのですが、二組なのだから公平じゃないと納めて貰えず。

そもそも、久々に行きたいというのも半分は方便で、気兼ねなく行けるような後押しの気遣いなのだと思われ、ならばと、ありがたく甘えさせていただくことにしました。

2012年1月2日

ベンメリア

翌朝、ご厚意に乗っかり、トゥクトゥクでベンメリアに向かいます。

忘れ去られた遺跡に自然だけが時を刻み、長い年月で崩壊しながらジャングルに飲まれていった、他の遺跡とは違い、修復した当時の形ではなく、刻んだ悠久の時そのものを見せてくれる、ちょっと珍しい遺跡です。

天空の城ラピュタすぎる世界観としても、近年、有名になっています。

ジャングルにひっそり佇むベンメリア遺跡 ジャングルにひっそり佇むベンメリア遺跡

ジャングルに囲まれ、木漏れ日の差し込む崩壊し苔むした遺跡。

歩みを進めるにつれ、ジャングルの奥地に世紀の大発見をしている探検家の気分になってきます。

そんな中、どこからか入り込んだ現地の子供たちがついてまわり、勝手にガイドの真似ごとを始めます。

子供たち「ライブラリー」 私たち「ふーん。」(これ、後で金よこせって始まるヤツだろうな…。) 子供たち「ライブラリー」 私たち「ほー。」(ここも書庫なの?) 子供たち「ライブラリー」 私たち「ん…。」(どんだけ蔵書あったんだよ…。) 子供たち「ライブラリー」 私たち「嘘つけーぃ!(笑)」

適当にあしらっていたのですが、何でもかんでも「ライブラリー」過ぎて、釣られてツッコんでしまいました。

せっかくの雰囲気に浸ってるところを邪魔してくれますが、お金が取れそうもないと判断すると、一人減り二人減り、後半は静かに回ることができました。

自然だけが時を刻み続けるベンメリア遺跡 自然だけが時を刻み続けるベンメリア遺跡

RPGの最終決戦に臨む遺跡ステージ、大きく回り込むと反対側から入れて、中の宝箱には最強装備の一つが!?…なんて、ゲーム視点でも楽しいベンメリアです。

崩れ遺跡ファンとしてはどれもフォトジェニックで、思う存分にじっくりと見て回り、そして、出口付近に見覚えのある面々を発見。

私たち「ライブラリー!」(先制攻撃) 子供たち「ライブラリー!(笑) キャッキャッ!!(笑)」 私たち「Bye!」 子供たち「Bye-Bye!!」

無邪気!

安易にお金をせびるのではなく、対価であることを学んで欲しいので、本当に役立たない限りはお金は絶対に渡しませんが、お菓子の一つくらい持って来てあげれば良かったかな。

駆け足でしたが、明日はバンコクへと戻り、タイでゆっくりしたら帰国です。