2011年12月 カンボジア旅行 #3 シェムリアップへ移動
いよいよカンボジアのシェムリアップへと向けて出発です。
陸路をじわじわと市民の足を乗り継いで半日がかり、ちょっとした冒険気分です。
数々の旅人をキレさせて来た、ネタに事欠かないタイ〜カンボジア国境ですが、やはりすんなりとは通して貰えないのでした…。
記載内容は2011年12月時点のものです。ご旅行の際には最新の情報も合わせてご確認下さい。
目次
【タイ王国(ราชอาณาจักรไทย/Kingdom of Thailand)】
通貨はバーツ(บาทまたは฿と表記)で、記事中はバーツと記載します。 2011年12月現在のレートは1バーツが2.5円弱ですので、日本円へは『2.5倍(5倍して2で割る)』くらいの換算で、40バーツなら100円ほどですね。
【カンボジア王国(ព្រះរាជាណាចក្រកម្ពុជា/Kingdom of Cambodia)】
通貨はリエル(៛と表記)で、記事中はリエルと記載します。 2011年12月現在のレートは1リエルは0.02円弱ですので、日本円へは『50分の1(ゼロを2つ取って2を掛ける)』くらいの換算で、5,000リエルなら100円ほどですね。
※USドルが広く流通しており、同2011年12月現在のレートは1ドルは78.1円弱ですが、1ドルは大抵は4,000リエル固定換算とされ、例えば5,801リエル分の品に対して2ドルを支払った場合、お釣りとして2,100リエルと小額紙幣代わりの飴(笑)が返って来ます。
フワランポーン駅
5時55分発のアランヤプラテート(อรัญประเทศ/Aranyaprathet)行きに乗るべく、朝5時起きでチェックアウトを済ませ、歩いてすぐのフワランポーン駅(สถานีรถไฟกรุงเทพ/Hua Lamphong Station)へ。
窓口でチケットを購入してホームに向かってみると、日本ではプラットフォームは列車のドアと高さを合わせて作られていますが、こちらは線路と一緒のほぼ地面で、電車にはよじ登る方式でした。
大荷物のバックパッカーや、スーツケーストラベラーだったりすると、思いがけず苦労しそうです。
ちなみに、タイも旧正月がメインで帰省ラッシュなどとカブることもなく、無事にチケットが取れたので良かったものの、普通に考えて前日のうちに窓口で購入しておくべきでしたね。
5時40分頃に車内の電気が点いて乗車開始、シートは2×2の4名向かい合わせレイアウトで、対面は若いタイ人カップルでした。
アランヤプラテート駅
アランヤプラテート駅には12時頃には着く予定でしたが、随所で遅れが蓄積されたらしく、結局、13時過ぎの到着となりました。
この駅から国境までは5kmほど離れており、駅を出るなりドライバーが群がってきます。
バイタク「ボーダーなら50バーツ(約125円)だよ。」
相場が分からないまでも、ファーストコンタクトよりは安いに違いないと予想して、数名に当たってみます。
トゥクトゥク「ボーダーなら一人10バーツ(約25円)でいいよ。」
うわぁ…いきなり安くて括弧書きの『ウソでーす!』が透けて見えています。
ただ、いかつい感じの人でもありませんし、最悪、後でモメてもバイタク相場の100バーツ(約249円)も渡して、無視して立ち去れば引き下がるだろうと踏み、試しに乗せてもらうことにしました。
タイ〜カンボジア国境
タイ側国境
10分か15分ほど走ったでしょうか、トゥクトゥクはあからさまに国境手前の道路脇の建物に滑り込みました。
トゥクトゥク「着いたよ。」 私「いやいや、ここはボーダーじゃないでしょ。」
安いと思ったら、偽ボーダーに到着です。
押し問答をしていると建物内からスタッフが出てきて、観光客はここでビザ申請をする必要があるからと建物へと誘います。
ドライバーと旅行代理店が結託して、事情に明るくない旅行者を連れ込み、とーーーっても割高にビザ申請と移動の手配をしてくれるという事例を先人の記事で見知っていました。
スタッフ「さ、降りて降りて。」 私「降りないよ。ビザならもう持ってるし。それともここでスタンプでも押してくれるの?」
パスポートのビザのページを掲げると、スタッフはモゴモゴ言いながら建物に引っ込んで行きました。
私「じゃ、リアルのボーダーまでよろしく。」 トゥクトゥク「OK。」
妻はビザ未取得でしたが、私だけでも事前に取得しておいたのが役立ちました。
数分で本物のボーダーに着き、ドライバーには笑顔で二人分として20バーツ(約50円)ぴったりを叩きつけ、イミグレーションで出国手続きを済ませたらカンボジア側へ。
カンボジア側国境
何か子供たちとか、物乞いとか、明らかに関係なさそうな人も結構居るんだな…っと、カンボジア側のイミグレに到着。
よそ見をしながら歩いているうちに、国境を見逃しました(泣)
私の方はビザ取得済みなので、ロクに見られもせずにスタンプどん!
続いて妻がパスポートと申請書類一式と申請代金20ドル(約1,561円)を手にカウンターへ。
係官「25ドル(約1,951円)だ。」 妻「え? 20ドルのはずですが?」
上の看板にも20ドルとあり、その旨を確認しても、あと5ドル(約391円)よこせと言ってきます。
最近、料金の改定があったのか、それとも何かしらの手数料なのか。
いや、どうにも胡散臭い。
私「失礼、何のための5ドルなんです?」 係官「えっと、いや、その…例えば、写真代?」
例えばって…半疑問形だし…。
目の前に最初から提出済みの写真を掴み上げて、笑顔で同じ場所に叩きつけてやります。
私「他に何か?」 係官「…。」(スタンプどん!)
カンボジア国境でのアライバルビザは賄賂要求が常態化しており、先人の記事でも悪評には事欠きませんでしたが、確かに噂通りでした。
あまりの雑さ、理不尽さに、感情的に逆らったら逆ギレされてしまい、スタンプも押して貰えずにパスポートを投げ返されたなんて話もありましたので、冷静ながら納得する気配のない客に徹して相手が折れてくれることに期待するのが良いでしょう。
陸路って面倒臭い人が多いですね。
ひとまずは無事にカンボジア入国、国境を超えた先はポイペト(ប៉ោយប៉ែត/Poipet)の町です。
国境から1.5kmほど歩いたところにバスターミナルがあり、そこからシェムリアップ(សៀមរាប/Siem Reap)行きのバスが確か$9(約703円)でした。
おおよその時間は決まっているようですが、客が少なすぎると出発しないようで、小一時間ほど待機の後、ようやく出発となりました。
シェムリアップ
バスは4時間ほど走り、シェムリアップ郊外と思われる空き地のほとりに到着。
既に辺りは真っ暗です。
到着するなり群がり来る押しの強いトゥクトゥクドライバーを避けて様子を見ていると、気付けばバスの乗客もトゥクトゥクドライバーもほとんど居なくなってしまいました。
これは何処とも知れぬ空き地に置き去りかと冷や汗をかきましたが、奥の方で遠巻きに見ていた大人しめのトゥクトゥクドライバーが客の争奪戦に破れて残っており、ラスいちの彼に決定です。
シェムリアップと言えば有名な日本人宿『タケオゲストハウス』が有名ですが、短期滞在の私達ではノリが合わなさそうと思い、すぐ近くのブンナスゲストハウス(ផ្ទះសំណាក់ប៊ុនណាត/Bunnath Guesthouse)を予約していました。
宿に着いたのは21時過ぎ、5時過ぎにタイのバンコクを発って16時間の移動と、運ばれてるだけとは言え堪えました。
部屋に入ると、熱気がこもらぬよう窓を全開にしておいてくれたのでしょう、蚊柱が立つほどに蚊だらけでした。
いや、これは親切心でしょうし、コンパクトで旅行に向いてそうに思い持ち込んだ、アース製薬の『おすだけノーマットスプレー』の絶好のデビュー戦じゃないですか。
ひと吹きしてみたところ、プスゥと頼りなげなスプレーながら、数分後にはポトリポトリとみるみる蚊が全滅。
これ、次回からスタメン入り確定です!
シャワーを浴びて休憩後、窓から外を見てみるに、車やバイクも行き交い、女性や子供も出歩いている様子で、治安的には問題はなさそうです。
近所を散歩してみると、町のあちらこちらから花火(と言っても『よいこの花火セット』の中の取っておきの一本くらいの物)が打ち上がり、歓声が上がっています。
そういえば今日は12月31日、夜空を焦がすほどの花火が埋め尽くすド派手なカウントダウンでこそありませんが、のどかで良い年末です。
到着と新年を祝して乾杯。
明日は朝イチ、アンコール・ワットの初日の出を狙います!